映画の冒頭は、ベッドにうつぶせの全裸のカミーユ(バルドー)の姿が広がる。
「私の○○は好き?」と全ての自分自身の美しくのびやかな体の部位、顔のつくりについて夫に問い続けるカミーユ。
妻の全てを愛おしむように、オウム返しに夫ポール(M・ピッコリ)がそれに答える。
このシーンだけでも伝説だろうし、イタリアのカプリ島の紺碧の海に、全裸のまま美しいポーズで飛び込んで泳ぐバルドーも衝撃的。
脚本家のポールが、アメリカの映画プロデューサー(J・パランス)に取り入るために、妻のカミーユを差し出すかのような行為がもとで、妻の態度が豹変する。
ここからの妻の態度と心理描写が面白かった。
以前見た時は理解できなかったけれど、今になって再見したら、自分の魂を売って妻を差し出し、相手の機嫌をとる夫に対して、急に冷淡になり軽蔑する妻の気持ちが理解できた。
映画の中の室内装飾の色彩とバルドーの衣装の彩りとのコントラスト、カプリ島の海の群青が鮮やかで美しい。
衝撃的なラスト・シーンも赤が強い印象を残す。
この映画の背景に、ハリウッド映画の商業主義VSヨーロッパ映画の芸術主義の皮肉を感じる。
実生活のF・ラングの苦悩、葛藤と、ゴダール自身の悩みの私生活の背景があり、自虐的な意味合いも含まれているので、そういう点でも興味深い作品かもしれない。