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52 人中、51人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
生きて…,
By 春雨 (神奈川県在住) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 転移 (単行本)
「ガン病棟のピーターラビット」から後、肝臓にガンが転移してからのことを書き綴った著者の日記です。 “私は書かないとダメなんだ!” という思いに突き動かされるように、 体調の許す限り、著者はこの日記と様々な作品を書き続けます。 日記には、病院でのガン治療のことに加えて、 毎日の食事や外出の際に身につけた着物のこと、 馴染みの店や周囲の人々との交流の様子などが書かれています。 当たり前のように繰り返される1日1日を、 著者はとても大切にされていたということがひしひしと伝わってきます。 最後に残された「ま」の文字は、 「まだ書きたい!生きたい!」という文章だったと思われてなりません。 死にゆく自分を見つめながら、最後まで文章を書き続けた著者… まだまだ生きて、多くの作品を紡いで欲しかったです。 改めて、亡くなった著者のご冥福をお祈りします。
70 人中、66人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
がん治療医にも参考になりました,
By ドンリュウ (仙台市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 転移 (単行本)
中島梓さん(栗夲薫さん)の作品は読んだことがありませんでした。書店で陳列されている新刊書のコーナーでも「転移」という強烈なタイトルがなければ手に取ることもなかったかと思います(小生、がん治療を担当している勤務医)。読みはじめると、その壮烈ともいうべき闘病生活に圧倒される思いで読み切りました。悲しい結末を書くと5月7日最終入院、5月17日昏睡、5月26日永眠なのですが4月12日までライブ活動、5月16日まではパソコンと手書きでかなり長文の日記を記載しています。表現すること・書くこと・記録することへの執念はまさにプロの音楽家・作家ならではのものだろうと感動しました。治療に経口抗がん剤を使用しているが服薬期間と休薬期間との体調の比較など食事内容の記載とともに大変参考になりました(今まで受持患者の体調の変動への配慮が不足していた、と反省)。惜しむらくは、睡眠薬・鎮痛薬使用を躊躇せず適切に行なっていたらさらに良質なQOLを保てたのではないか、という感想を持ちました。その「偏見」の理由(手術後に背中のモルヒネの管を抜いたときの禁断症状ー12月11日の記載)の詳細を知るべく前作「ガン病棟のピーターラビット」を注文しました。闘病生活を支えた家族・関係者・医療スタッフに敬意を表するとともに氏のご冥福をお祈りします。
27 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
最後まで「表現者」たらんとした作者に敬意,
By
レビュー対象商品: 転移 (単行本)
5月26日の訃報のショックが蘇ってきました。「ガン病棟のピーターラビット」のあとがきに、すい臓がんからの転移と言うことがちらっと書かれており、これはまずいのではと思いました。 この本にも書かれていますが、その場合は1年もつのも難しいと言うのが常識です。 その意味で行けば、作者は非常に頑張ったと言うことでしょう。 その訳は、この本の中にも何度も出てきますが、小説が書きたいと言う強い執念ではなかったかと思います。 この本は、先の「アマゾネスのように」「ガン病棟のピーターラビット」とは違い、日記体で書かれています。 毎日ではなく、書ける時に書き継ぐと言う形のため、半月以上も間が空いていて、その間の病状の悪化を思わせるところもあります。 身体の痛みと食えない辛さ、やせ衰えてゆく自分の身体に対する苛立ちが、ひしひしと伝わってきます。 それでも、小説を書き、ライブを重ねる姿には、「表現者」であり続けようとする、そして、「表現者」でなくなったら自分でなくなってしまうと言う作者の気持ちが痛いほど伝わってきます。 この本を読んでいて、ページが進むに従って、読むのが辛くなってきました。 「もう良いよ。そんなにしてまで書かなくても。」そう叫びたくなりました。 今、手元に薄っぺらい最後の「グイン・サーガ」があります。 後1か月の命とも知らず、痛みに耐えて書いた最後の本を、これから読みたいと思います。 長い間ありがとうございました。 どうか、ゆっくり休んでください。
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