日本における外食産業史は,一般に1970年に始まるとされるが,田沼氏が大学の学生寮運営を任され,給食事業を始めたのは47年のこと。54年には本格的な企業展開を志すに至ったというから,日本の外食企業経営者としては,最長老格といえる。
経営センスも卓越しており,65年に事業所給食でカフェテリア方式を導入,82年にはコンピューターを活用して仕入れからメニュー構成,売り上げまで効率的に管理するシステムを完成させるなど,常に時代をリードしていたことには驚かされる。
戦時中,将校として戦地で多くの部下を失った経験から,公共性の高い事業を志したという田沼氏。高い理想を失うことなく,時代への目配りも忘れない姿勢には,経営者として学ぶべき点が多いはずだ。日本の外食産業史の一端を知る手掛かりとなる書でもある。 (ブックレビュー社)
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