第2章では、私たちが自分の「転機を語ることの意味」について書いてあります。本書を書くことになったもっとも中心的な考え方を示しています。端的に言うなら、人は自分の転機を語ることによって自分を成長させるように動くことができるようになるということです。
第3章では、転機のプロセスについて書いています。人が人生の転機に遭遇し、その転機をどのように乗り越えて、成長した自分を「創り出していく」のか、そのプロセスを示しています。転機のプロセスの最中にはしばしば苦しい時期(本書の中では、「空白の期間」)が続くのですが、それはまさしく新しい自分を創るための生みの苦しみであることを示しています。 第4章では、人は転機によって変わることが可能であるにもかかわらず、どうしても変われないことがあるということについて、「トラウマ」の考え方と「家族療法」の考え方を紹介しています。私たちが持っている,語りによって自分を変えていく力が何らかの形で妨げられるとき、人は変われなくなってしまうのではないかということを示しています。
第5章では、転機によって人が変わることができるということの、生涯発達心理学に対するインパクトについて書いています。人は転機を語ることで自分を変えることが可能だということは、人が生涯にわたって自分を変えることができるということであり、そのことが生涯発達のあり方を指し示すのではないかということを書いています。
本書の言いたいことを端的に表すなら、「人は生涯にわたって自分を変えることができる。なぜなら、人が成長するとは一つの創造活動だからだ」ということです。もちろん創造活動というからには,創造の苦しみもあり,(例えば小説を書こうとしてもなかなかうまく書くことができないように)変わりたいときにいつでも変われるわけではないのですが,常に変わる可能性を残しているのが人の生涯発達なのだと思います.本書を読んでこのことを感じてもらえたらと思います。
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