粗筋や内容などは他の評価者が上手にまとめておられますので、私は他の事で。
この漫画には政治面、経済面、コミュニティの意識などちょっと普通の漫画じゃお目にかかれないような意見が断片的に見られます。
多分にエゴなんですけど、それを用いて説教するが如き話はありません。
登場人物はその時代の人らしく、我々とは異なる(場合によっては変わらない)意見を述べます。
主人公に至っては今の感覚ではかなり問題があります。
でもそれは漫画にありがちな「悪ぶってる」のではなく「当時なら十分ありえる常識的行動」として落とし込まれているところに好感がもてます。
「ヴィンランド・サガ」「ドリフターズ」などの様に現在とは異なる倫理観や常識をキチンとキャラに乗せて、しかも時代の空気や技術レベルと共に描くあたりは荒削りながらも見事です。
人物の描き方はちょっとまだこなれていない所がある様に思いますが、歴史をよく勉強されているので、仮想戦記ものとしても物語としても無理なく理解できて楽しく読めます。
女っ気は殆ど無いし、何か凄い技や兵器が登場する事は無いので、そういうのが好きな方は別な本へ。
世界ものとは全く違う架空の歴史もの。
人気のおかげで、作者も長丁場向けに舵を切ったようなんで、今後が楽しみです。