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軍犬ローマ号と共に―ビルマ狼兵団一兵士の戦い (光人社NF文庫)
 
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軍犬ローマ号と共に―ビルマ狼兵団一兵士の戦い (光人社NF文庫) [文庫]

志摩 不二雄
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

戦争末期、古年兵による激しい殴打の中、「私怨」を晴らすことと、「生還」への執念に燃えたビルマ戦線一兵士の戦争。つねに自らの側にあって、献身、忠実な軍犬ローマ号を先導にして、冷酷非情な戦野から、友軍部隊を求めての74時間の逃走記。敵中、一人とり残された兵士の孤独と軍犬への絶大な信頼と情愛を綴る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

志摩 不二雄
二松学舎卒業。越後屋書房、近代小説社等に勤務する。昭和18年、応召。23年、復員後、教師生活に入り、傍ら執筆活動を行なう。59年、停年退職。後、岡山県山陽高等学校、興譲館高等学校講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 265ページ
  • 出版社: 光人社 (2006/10)
  • ISBN-10: 4769825110
  • ISBN-13: 978-4769825111
  • 発売日: 2006/10
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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異端の戦記 2011/2/3
形式:文庫
タイトルから直接にはイメージできない、誠に凄絶をきわめた物語である。

著者は、応召直後からの絶え間ない上官からの暴力から、彼ら上官を戦場で殺害することを目標に生き延びる決心をする。
だが、撤退の途上において復讐の機会を得たがために、友軍から見捨てられ、3日間にわたり死線を彷徨うこととなる。
その間に人間たちの繰り広げる、ありとあらゆる不道徳が赤裸々に描き出され、目を背けたくなる箇所は数え切れない。
それに対し、軍犬であるローマ号は常に著者の側にあって、何度も生命の危機を救うのである。
そして、自らが死を迎えようとする時もなお、著者と共にあろうとする。

自己保身と欺瞞に満ちあふれた日本軍
常に勝者の側に付き、敗残の日本兵を容赦なく襲うビルマ人
自己保存のために裏切る人間と、常に裏切らない犬との対比が悲しい。

他にも、戦場での兵士について、様々な知見を与えてくれる作品である。
常に復讐を念じていた著者は、自身について「祖国のためという意識はなかった」と述べている。
しかし、日本兵を惨殺したビルマ人ゲリラを殲滅したときの著者は、明らかに日本人としての意識に燃えたぎっていた。

異端の兵士による異端の戦記であるが、得るものが多い作品であると言えよう。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ワクロー3 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 特筆に価する戦記である。

 兵士が記録を残す場合、かつての戦友や友軍に対する配慮もあるだろう。また、戦後かなりの年数を経過すると、耐えられないほどの過酷な記憶を、ある種のなつかしさをこめて、本人が自覚しないまま、目をそむけたい記憶から避けてしまった。そういった、自己抑制が働いた戦記は、かなりあると思う。

 この戦記は違う。ビルマの戦いで敗れ、玉砕したはずの部隊の敗残兵として「存在してはならない」兵士として、仲間からも逃避する立場に置かれた兵士たちの記録だ。

 色々な戦記を読む過程で、「ビルマ人は、日本軍兵士にとって温かかった」という、私が抱いた幻想を、この記録は完全に否定してくれる。

 敗残兵内部の峻烈な対立、逃亡する過程で出会う、恐怖の裏返しにも似た、日本兵狩りの現地人との死闘。

 恨み、憎しみ、殺し合い、生きるため、筆者自身を含む、敗残日本兵の現地人への殺戮、略奪、強姦。そして、報復されて、山刀で首を切り落とされる凄絶な結末を迎えた仲間たち。本来であれば描きたくない記録を、克明に再現しているのだ。
 信じられるのは、軍務をともにした軍犬ローマ号。ただ一匹。この点だけが、他の敗残兵と異なる点だった。

 戦場とはなにか。軍隊とは何なのか。人間とは何なのか。敗残兵と対する現地人の憎しみの連鎖。
 戦後、この記録を世に出したとき、きっと、彼のかつての戦友や遺族たちから、筆者に対して、すざましい憎悪が向けられたはずだ。それほど生々しい戦場の記録なのだ。

 誰も信じられない。仲間でさえ。そういう戦場の現実を、この本から学ぶことができる。彼を支え続けた軍犬ローマ号との決別の場面だけが、この記録に救いをもたらす場面だった。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
克明な記録と犬との絆。涙なくては読めません。多くの方に読んで欲しい。
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