当時の日本・韓国・中国を近代化の観点から比較した上で、筆者は日清戦争から筆を起こす。北清事変(義和団の乱)、日英同盟、日露戦争、韓国併合、第一次世界大戦参戦、ロシア革命に対抗するためのシベリア出兵、表向き軍縮条約の締結とデモクラシーの発達で明るい様相を見せながら、貧富の格差、軍部の不満による軍国主義かの萌芽と発酵の時期でもあった大正時代。満州事変、上海事変、5・15事件と国際連盟脱退、「満州国樹立」、2.26事件と軍部が日本の政治中枢を掌握し、ついに中国と戦端を開き、全面戦争に突入する過程が自説をまじえながら丁寧に解説されている。筆者は、軍国主義ばかりではなく、憲法第九条に象徴される戦後日本の「戦争放棄」も「空想的平和主義」だとして批判している。もちろん国権の発動としての軍事力の行使、侵略行為には反対の立場であるが、現代の国際化の時代では、過去の反省を踏まえながら、集団的自衛権などを考慮しながら、日本が国際社会で尊敬される構成員としての立場を果たして欲しいと主張している。