惜しくも60歳で2009年にこの世を去ったエバケンこと江畑謙介氏による、主として米軍ロジスティクスの現状と将来を描いた書。500頁近い分量ながら、分かり易い文章と豊富な挿絵や写真で理解も容易である。
前半では、主として湾岸戦争からイラク戦争までの米軍ロジスティクスの成果と反省点を記載している。後半は、陸海空海兵4軍それぞれ、または統合的なロジスティクス改革の取り組み、将来組織・装備品について述べている。
輸送業務は予想以上に民間業者への依存度が高く、効率化のためにジャストインタイムを取り入れつつある現実や将来像にも驚いた。
また、ロジスティクスを誤解している日本への警鐘もある。旧日本軍では兵站補給と呼び、要員を輜重兵と呼んでバカにしていた。自衛隊でも訳語は後方補給である。ロジスティクスは多人数が行動する際の作戦そのものなのである。非対称戦や対テロ戦が増える今後はますます後方などという概念は無くす必要がある。