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車輪の下 (新潮文庫)
 
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車輪の下 (新潮文庫) [文庫]

ヘルマン ヘッセ , Hermann Hesse , 高橋 健二
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (46件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通った。だが、そこでの生活は少年の心を踏みにじる規則ずくめなものだった。少年らしい反抗に駆りたてられた彼は、学校を去って見習い工として出なおそうとする…。子どもの心と生活とを自らの文学のふるさととするヘッセの代表的自伝小説である。

登録情報

  • 文庫: 246ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1951/11)
  • ISBN-10: 4102001034
  • ISBN-13: 978-4102001035
  • 発売日: 1951/11
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (46件のカスタマーレビュー)
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82 人中、75人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
町の牧師や校長、父親。大人達の寄せる一方的な期待に苦しみながら、それに懸命に応えようと勉学にいそしむ少年、ハンス・ギィベンラァト。大好きな魚釣りも、水浴も、ウサギ小屋も、友人との遊びも禁じられ、孤独のうちで、知的な充実感と野心の満足だけを支えにひたすらラテン語とギリシア語と数学と宗教の勉強に励む毎日。ついに州試験に合格し、町中の賛美と羨望を一身に浴びて神学校に入学したハンス。そこでの一人の友人との出会い。

幼少期の大切な時期を、文字通り大人達のエゴという「車輪の下」に踏みにじられ、それのもたらす深刻な影響から、なやみ、苦しむハンス。精神の平衡を乱した彼は・・・。ドイツの美しい自然描写を背景に、主人公の繊細なたましいが傷つけられていく様が、淡々と描かれている。

著者自身の、少年時代から青年期にかけての実際の経験を題材にしているだけに、ハンスの考えや行動、変化がとても自然に描かれていて、その帰結的な哀しみは何ともやりきれない。知とか教養みたいなものを、ある意味で絶対的なもの、賛美すべきものと考えがちな最近の自分に強烈な警鐘を鳴らしてくれた。知識や教養、それ自体には価値はない。それを特定の文脈の中に位置付けて、いかに活かすかが重要なのであって、それが立身出世の手段としての色合いを強くしたとき、それは悲しい結果を人々に、特にいたいけな少年の魂にもたらす。

ハンスの不幸に手を貸したことに、全く無自覚な牧師や校長や父親。
そして、彼らと読者である自分がなんら変わらないと感じた時、ずいぶんショックだった。

「人間の価値を決定するもの」そんな曖昧な定規を必死で探し出そうとしながら、結局自分は、浅薄で悪徳な大人への道をまっしぐらに歩いているような気がしてならない気がする。そして、そんなことを考えさせてくれたこの小説は、とてもありがたいと思った。

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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
意外に 2011/1/16
By mistie
決して哀しい物語ではない。
弱ったときに寄り添ってくれる、強い味方。
夜中にひとりで一気に読むといい。
自分の今までが映ってみえる。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 如那傘如臼太 トップ500レビュアー
真っ当な読み方をすれば「詰め込み教育への批判」が主題ということになるのだろうが、
私個人はもっと別の点が気になってしまったので、そこを書かせて頂きたい。
多少不謹慎なのは悪しからず。
 
 

率直に言って、物語の結末に癒やしを感じてしまった。
ハンス君のひとつの生きる道が断たれたあと、もうひとつの生き方の可能性が萌す。
その可能性が未だ残っている状態で全ておじゃんにしてしまう、というのが実にゼイタクに思われた。

あとは、物語随所でたびたび姿を見せる「恥」の感覚が実に面白い。
職人が徒弟の金で一緒に遊ぶのは恥ずかしい(208頁)とか、かなり日本人の感覚に近いものがあるのでは。

物語の舞台の大半がキリスト教の学校なのに、そこで口先だけのキリスト教すら語られないところも笑えてしまった。
口先だけのキリスト教すら語られないということは、
勿論「キリスト教徒の欺瞞を反省する」というキリスト教文学にありがちな図式もない訳だ。
ヘッセと八つ違いの作家:ジッドが小説の中で大マジメにキリスト教をネタにしていた時代、
キリスト教に取り合うことなくシッカリした倫理観のある小説をヘッセが書いているところは本当に感動した。
肝は、「キリスト教臭い舞台設定なのにキリスト教にマジメに取り合ってない」ところにあると思う。

本書は中高生向きの書籍として推薦されることが多いようだが、私には理解できない。
多少なりとも挫折感とか教育観を持った人が読んで、初めて面白みを感じるのでは。
いや、別に若い読者が本書を読むのを禁じる必要はないけれど、わざわざ推薦するには及ばないと思うのは私だけか。
推薦図書なんぞにされた時点で読みたくなくなるのが人情ではないか。
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