対談だからでしょうか、根拠がはっきりしない漠然とした話も
多いのですが、それでも十分刺激的な本です。
一読して極端に捉えられかねない議論がそうならなくて済んでいるのは、
両著者の経験(ブラジルでの母子保健活動、父子家庭、・・・)の
エピソードと一緒に語られているからでしょうか。
以下の点が特に響きました。
・ブラジルの女の子は思春期でも父親嫌いにならないが、日本では
そうなってしまうのは親の夫婦仲が良くなくて、家庭内での
「エロティックな力学」が働いていないから。
・厳しく社会的な価値観を教え込む「父」の役割と、子どもが発する
ノイズをシグナルとして受け取って生理的欲求を満たす「母」の役割、
両方やってみると、男だって「母」の役割を果たせるのは、「父」「母」が
性の問題ではなく機能の問題だから。でも両者を一人でやるのは困難。
・「子どもと密着している母親が厳しく
社会的な価値観を教え込み」「子どもに干渉しない父親が無原則に
甘やかす」という逆パターンがたぶん子どもにとっての地獄ではないか。