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身体の零度 (講談社選書メチエ)
 
 

身体の零度 (講談社選書メチエ) [単行本(ソフトカバー)]

三浦 雅士
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

纏足(てんそく)やコルセットのような不自然な風習を、なぜ私たちは続けてきたのだろうか。〈私〉をつくりだす源に、何があるのだろうか。謎はみなひとつのところから流れでている――。本書は、東西の豊富な文献を駆使して、泣きかた・笑いかた・行進・舞踊など人間の表情や動作に立ちむかう。そして、身体へのまなざしの変容こそが、近代の起点であることをあざやかに検証する。社会史・思想史のなかに、身体を位置づけた力作。

内容(「BOOK」データベースより)

〈私〉をつくりだす源に、何があるのだろうか。泣きかた、笑いかた、行進、舞踏など人間の表情や動作に立ちむかい、身体へのまなざしの変容こそが、近代の起点であることを検証する。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 284ページ
  • 出版社: 講談社 (1994/11/2)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062580314
  • ISBN-13: 978-4062580311
  • 発売日: 1994/11/2
  • 商品の寸法: 18.6 x 13 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 黒口隊長 VINE™ メンバー
形式:単行本(ソフトカバー)
本書は、タイトルの通り、「近代」という時代の成立の根源を、身体性の問題から探るもの。今日様々な形で論じられる「身体性」の問題を、「文明批判」「文化批判」といった切り口から、歴史的な観点に定位して取り上げている。タイトルからも推測されるように、ポスト・モダンの思想を背景にふまえているものであるが、論旨は明快、論述はむしろ古典的で手堅いもの。豊富で適切な実例の提示(文学作品や、歴史的な文献からの引用など、唸らせるものがある!)と、念入りな先行論文の引用によってこうした主題にあまりなじみのない読者も、十分楽しめ、また考えさせる内容となっており、「身体論」を考える上での、かなり上質な入門書となっている。「身体加工」「表情」「動作(所作)」「舞踊」と、身体論の基本的な主題を順番に論じていくが、その論考の定点となっているのが、「身体の零度」という主題。「裸で何も塗らず、形を変えず、飾らない人間の体」というものを、標準の人間の在り方として受け入れるという、この「身体の零度」の成立が、「近代」というものを形作る上で不可欠であったという洞察が示された後で、この「近代」の成立と引き替えに失われてしまった「身体」の回復の試みが現代の「舞踊」の在り方に探られる。そしてその後は? 展開のふくらみを期待させる、刺激的な思索の試みである。
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
 力を持つものは必ず危険をはらむ。

 私たちは安寧を求めたがるもので、近代化の力を否定的に語ることで自分から権力や危険を遠ざけた気になりたがる。

 しかし私たちの可塑的な身体は時代の動きに敏感で、状況に反応しながら状況を作り上げるものだ。このような可塑的な身体が、可塑的であること自体に価値を見出されたのは、近代になってからのことである。

 この無限の可能性を秘めた「身体の零度」という観念こそが、近代化の原動力であったのだ。近代化も、規律訓練も良しあしだ。だが、著者は私たちのように近代化の功罪を云々したりはしない。大切なのは、その近代の中心にあったのがほかならぬ自分たちの人間的身体であったということ。

 乳幼児の発達に関する理論やちょっと前の日本人の(!)運動会の様子、オリンピックのイデオロギー、そしてバレエの2大表現様式と、興味が引かれる事例が連なっていて、飽きない。

 こうした事例はトリビアネタにも活用できるでしょう。ですが、私たちの身体を私たちに直接的なものとして引き受けようとする理念じたいは決してトリビアルなものじゃあありません。 危険をはらまない理念に力はないのです。

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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
スターバックスで、ソファが空いていたので、そこに陣取り、ジュンク堂で買ったばかりの
本書を手にとった。

コーヒーのかぐわしさが似合う本のように思ったし、あのとき、あの場所で、手にとって
よかった。

本書は、一言でいえば「テーマ勝ち」である。

最後まで読んで、「身体の零度」というネーミングは、ややうがちすぎのように思うし、
それについていまいち考察が深く及んでないとは思う。

また、気負ったか、オープニングの数十ページは、若干記述のスタイルがかちこち固い。
それでも、すぐに筆がのってきて、いわば三浦ワールドが両の手を広げて読者を待っている。

一章一章、これまで歴史を語るうえでこぼれがちだった「身体」とそれを取り巻く
衣服、表情、所作に考察を広げるという「芸当」は、著者の面目躍如たる感がある。

そして、著者は歴史プロパーではなく元が編集者だけに、記述の心配りが行き届いていて、
文字どおり「安心して」読み進めることができた。

テーマに興味をもった方も、読書を楽しみたい方も、軽すぎず、重すぎず、脂の乗った本書を
おすすめしたい。
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