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私たちは安寧を求めたがるもので、近代化の力を否定的に語ることで自分から権力や危険を遠ざけた気になりたがる。
しかし私たちの可塑的な身体は時代の動きに敏感で、状況に反応しながら状況を作り上げるものだ。このような可塑的な身体が、可塑的であること自体に価値を見出されたのは、近代になってからのことである。
この無限の可能性を秘めた「身体の零度」という観念こそが、近代化の原動力であったのだ。近代化も、規律訓練も良しあしだ。だが、著者は私たちのように近代化の功罪を云々したりはしない。大切なのは、その近代の中心にあったのがほかならぬ自分たちの人間的身体であったということ。
乳幼児の発達に関する理論やちょっと前の日本人の(!)運動会の様子、オリンピックのイデオロギー、そしてバレエの2大表現様式と、興味が引かれる事例が連なっていて、飽きない。
こうした事例はトリビアネタにも活用できるでしょう。ですが、私たちの身体を私たちに直接的なものとして引き受けようとする理念じたいは決してトリビアルなものじゃあありません。 危険をはらまない理念に力はないのです。
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