全身をひとつに繋げている筋膜に働きかける、ロルフィングというボディワークを行っている著者が書いた本。
筋膜は全身をひとつにまとめている組織なので、一箇所にふれても全身に影響を及ぼせるという。
このため、マッサージや指圧では得られない大きな変化が可能という。
身体にはもともと備わっている智慧があり、それを最大限引き出すための簡単な方法を教えてくれる。他の身体関係の本と違うところは、目、耳、口の使い方を通して教えてくれるところ。私のような素人でもとても簡単に理解できた。
方法が簡単なだけでなく、なぜその方法が効くのかロルフィングと生理学、解剖学に裏付けされた知識で説明してくれている点も有り難い。
なにせ、知っている=意識がそちらへ向かうことだから。
さらに、目、耳、口の使い方を変えたことで得られた新しい知覚をどう体の動きにつなげればよいのかも教えてくれる。
また、そもそも体の内と外とはどういうことか、など、普段あまり意識しないけれど実は私たちの在り方に大きく関わっている大事な要素についても、どうしたら身体の智慧を引き出せるのか、具体的に分かりやすく、簡単な方法を伝えている。
タイトルの「身体のホームポジション」とは、平たく言えば、「もともと、自分のいた場所」と理解した。自分がいた場所は、「本来、自分がいるべき場所」。私たちが忘れてしまっていた、その「いるべき場所」を身体が知っている。それを身体から聞き出す方法を教えてくれる本。
いろいろなマッサージにかかっても今ひとつ体調が良くならないという人から、治療家、身体を使う職業の人、ダンサーや武術家、スポーツにたずさわる人、すべての人にお勧めします。
また、私たちの在り方につながるという点において、教育関係者にも是非よんで頂きたい。
知覚が変わるということは、私たちが認識する世界が変わるということ。
だから、帯にある「一読するとからだが変わる、世界も変わる」をまさしく体験できる本。
素人の私にはこの本の専門的価値は計りかねるけど、著者の人間全体にたいする大きな愛を感じた深い一冊。