読んでる途中、知らぬ間に涙がホロホロこぼれて、読み終わったら、どっと涙が溢れてきて号泣しました。その後、しばし放心状態に陥りました。
礼二郎と幸子との切実な魂の触れ合いに打ちのめされました。ほんとに、高齢になるという事は、家族や友達を失い、自分自身の体の自由も失い、それに伴って心の自由も失っていく。
自分を信じる力がなくなっていく。逃れられない現実だけど、そんな苦しみに耐えられる人などいないのです。
高齢になり、ボケる、というのは、心が死んでしまわない為の防衛なのかもしれません。
心が死ぬと体も死に限りなく近づいていくように思います。生きる、という事は、心が生きている、という事だと思うのです。ひとつの心を生かす為には、沢山の浅い心よりも、深く大きな心がひとつ必要なのでしょう。
心から信じ合える人が一人いたならば、人は幸せなのだと思えるのです。
人はどうあるべきなのか、心に直球を打ち込まれるようなスゴイ小説です。