「身もフタもない」というタイトルが表すところは、
「こんな分量で日本文学史を語るところに無理がある」という
著者の自分ツッコミ的な意味と
「短歌はメールのやり取りに似ている」など、
現代にも通じる卑近な例で名作を身近に引き寄せてくるあたりの力技を称して、
というところのようだ。
一見近寄りがたく格調高いとされる純文学などのあれこれなども
その作者の的確な分析でその作品もおのずと根幹が見えてくるものだな〜と思わされた。
やはり清水義範は人間観察と人間理解に長けている。
結局作品には作者の人間性そのものが、これほど色濃く溢れ出てるものなんだという
当たり前のことを、氏の導きによってつくづく考えさせられる。
本著は「雑談」という仕切りによって日本文学史を語る。
「雑談9」の白樺派のあたりの記述はほんとにおもしろかった。
この部分が一番「身もフタもない」という感じ。笑ってしまった。
最終の「雑談10」がまとめにかかりすぎてる感があり、ちょっとあわただしい。
せめて「雑談13」ぐらいまでないといくら「駆け足で」なんていっても猛スピードすぎるような・・・。
久しぶりに読み終わるのが惜しいほど楽しい本だったので、
最終章の「早送り」的なまとめが残念だったかも・・・・。
今度は世界文学史も読ませてもらいたいなと思います。是非!