踊る「食の安全」は 農薬をキーワードに食の安全や環境問題と実に多面的に論及していて、書き手に人を得たいい内容の本になっている。
なぜかといえば著者は、農芸化学という専門知識を持っていることから農薬問題を扱うのに不足がないこと。
毎日新聞記者という経歴が複雑な問題を素人にも分りやすく伝えるノウハウを持っていること。
著者経歴の記述の中に・・主婦として母として日々安くておいしい食事つくりに頭を悩ましつつ、とあるように食べ、育てる立場にあること。
著者は「食に関する取材を続ける中で私は、農薬を大きく誤解していたことに気づきました。」と書いているように食べる側からの視点でだけ物事を見ると間違いを犯すこともあるのだろう。
その点農薬を扱う関係者が書けば、え!本当かよと疑いの目で見られてしまうことを上手に橋渡ししている。
そのような点から、この本をぜひ手にして欲しいのが前著同様に生協信奉の奥様達だが、読むことさえ敬遠されてしまうのだろうか。
そう頑なにならずに読んでみてほしいカテゴリーの人たちです。
目の前がだいぶ明るくなるはずです。気が楽になりますよ。
ポジティブリスト制という新しい制度も分かりやすく取り上げられている。
誰もが、できれば1坪でもいいから自分の食べる野菜でも自ら作ってみてもらえれば農薬を使う農家の実情を身をもって知ることができて、この本に書かれていることが如何に公平且つ科学的に考察されて書かれているか納得してもらえるだろう。