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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
発想の転換のために,
By 浪岡浩二 (東京都文京区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 路面電車が街をつくる―21世紀フランスの都市づくり (単行本)
フランスの街は美しい。高さの揃った街並み、道路の石畳、道路を有効に利用したカフェ。そして近年では、路面電車が街の美観と活力を上げるために一役買っている。これらは日本の街とはあまりにもかけ離れた姿だけに、フランスのように美しい街並みを日本で実現するのは夢物語だと考えている人が多いであろうことは容易に想像できる。 しかし実際には、フランスの街並みが美しくなっている理由は、フランス人の文化的背景とか歴史的経緯といったものだけでない。まちづくりのための財源を確保するような法的措置や、政策決定の際に多くの住民が関与できるような制度が大きく影響を与えているのである。 いくらフランスの都市が美しいとはいえ、外見を見るだけでは何の意味もない。筆者はフランスのまちづくりの現況から背景、経緯に至るまでを丁寧に描写し、まちづくりのプロセスを明らかにすることで、日本人のまちづくりに対する発想の転換を促している。特に、交通機関は運賃収入で支出の全てをカバーしなければならないという思い込みが広まっている日本においては、都市圏交通機構による多くの計画案はまさに「発想の転換」を迫るものであろう。 図表を用いた説明も多く全体には理解しやすいが、一方で専門用語も多く、どちらかと言えば都市計画や交通計画の専門家向けの作品といえるだろうが、交通や行政の実務に携わる方々にも一読を薦めたい。
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