北は、北海道札幌から、南は北九州博多まで
路上ミュージシャンの実態をくまなく詳細に取材したレポート。
いったいどれだけの時間と労力が、この本のために費やされたのだろう。
著者、青柳氏の執念と情熱に頭が下がる思いを受ける力作です。
単に、ミュージシャンをめざす若者必携の書というだけでなく、
サブカルチャー研究書としても、資料的価値をもつ本です。
僕みたいな路上音楽音痴が読んでも、面白く、わかりやすい。
なにより脚注の用語解説が、懇切丁寧で無駄がなく、本文と照らし合わせて
通読するだけで、日本の路上音楽の通史が頭に入るように書かれています。
レイアウトに関していえば、文字の大きさ、書体のメリハリ、写真の入れ方など
書籍というより雑誌的な作りで、ひとことで言えば「凝っている」、「あそび感覚」が
感じられました。いずれにせよ音楽満載の本です。
みずからギター片手にストリートミュージシャンをやっている、青柳氏でないと書けな
い、演奏する側からの視点、本音も行間に散りばめられてあります。なかなか考えさせ
られる内容です。
「ギターは壁に立てかけるな、横に寝かせて置け」は目から鱗の忠告でした。
その他路上ライブを成功させ、人を集めるための秘策や、守るべきマナー、売り込みの
仕方、音楽業界の裏話など実践的情報満載の一冊です。
付録のDVDも面白い。本文中に登場したミュージシャンの映像、音楽を堪能できます。