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趣都の誕生―萌える都市アキハバラ (幻冬舎文庫)
 
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趣都の誕生―萌える都市アキハバラ (幻冬舎文庫) [文庫]

森川 嘉一郎
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 680 通常配送無料 詳細
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趣都の誕生 萌える都市アキハバラ
*nil*

( 宮永博行)
(日経アーキテクチュア 2003/05/12 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

月刊アスキー(第311号)

   秋葉原はいま、オタクの欲望剥き出しの街へと変貌している。
町中のビルにはもちろん、駅のような公共空間にまでアニメ絵の広告があふれている。ラジオ店の類も健在ではあるが、明らかに主力は家電でもPCでもない。

   この現象を「趣味が都市を変える力を持ち始めた」と読み解く本書は、秋葉原とオタク、そして街の変容を論じた一冊である。著者は建築意匠論を専門とする研究者だ。

   著者は海洋堂専務などへのインタビューを通し、1995~1996年のエヴァ・バブルがオタク系ショップ進出の大きな後押しとなり、秋葉原が変わる契機となったとしている。それは池袋や渋谷のような大資本による都市改造とは根本的に違う。秋葉原は「PCに対する愛好を結節点」としてオタクたちに見いだされた「趣都」となり、街全体がオタクの個室が都市空間へと拡張したような場所へと変わっていったというのだ。

   エッセンスは第1章だ。このあとはオタク趣味の構造、未来観の変遷がもたらした科学技術少年への影響などが語られるのだが、定量的なデータが引用されているわけでもなく(研究者の著作には単なる「お話」ではなく裏付けを期待したい)、あまり説得力がない。話も秋葉原から離れてしまう。

   第1章にしても、たとえば吉祥寺や下北沢はどうなのか、あるいは古いところでいえば、銀座のような街はどうなのだろうか、と問いたくなる。銀座でも歩く人の趣味が街に露出しているからこそブランド店が並ぶのではないか。それは秋葉原が獲得した個性と何が違うのか。また、秋葉原がPCの街へと変貌した1980年代に大きく変わったのは渋谷も同じだ。公園通りは確かに大資本が意図したものだろう。だが、センター街は自然発生的に若者が集まる場所として誕生したのではないか。それと秋葉原の違いは何か。

   秋葉原が異色の街であること、今もなお変貌しつつあることは明らかだ。なぜ秋葉原はこうなのか? それを考えることは秋葉原を鏡として文化や都市、社会を考えることだ。本書は秋葉原を考える上で重要な叩き台である。今後の議論は、この上に積み上げられていく。著者にもさらなる深い論考を期待する。(2003年5月号) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。


登録情報

  • 文庫: 313ページ
  • 出版社: 幻冬舎; 増補版 (2008/12)
  • ISBN-10: 434441232X
  • ISBN-13: 978-4344412323
  • 発売日: 2008/12
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.2 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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34 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By h.yamagata 殿堂入りレビュアー
形式:単行本
読んでいて「しまった! なぜこれに気がつかなかったんだ!」と思う一冊。秋葉原はかつては、家電を買いにいく街だったのが、いまはそれが郊外店に取られ、パソコン、そしてさらにはアニおたの街になってきている。これをテナントデータをもとに、そこそこ説得力を持って示す一方で、これはかつて白モノ家電が象徴していた未来像の喪失を反映しているのだと看破、オウムのサティアンとの共通性を描きつつ、ポケモンジェットにも同じ未来の喪失を読みとり、ポストモダンの建築デザインを商業主義へのへつらいにすぎないとこきおろす――そして、官主導の国家、民主導の経済から、いまや都市全体が非社会化した個人の生活に導かれているという図式をきれいに描き出す。

 あと、韓国の官主導おたく産業振興施設の話も笑えて楽しい。ただのアキバ論にとどまらない広さを持った現代文化論。すごい。

このレビューは参考になりましたか?
11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ukwsm
形式:単行本
~漢字の秋葉原からカタカナのアキハバラに如何にしてなり得たかを建築意匠論家の著者が綴る都市論。磯崎新のコメント付き。 普通なら「民」であるべきはずの都市が、ここに限っては「個」で成立している。 すなわち個室が都市空間へと延長する。~~ 他の地区とは一線を課す。それは広告を見れば顕著に表れる。そこは容易に近づけない何かに覆われているようだ、トマス・モアのみたユートピアともとれたりしないでもない。 最近の外資系ブランドファッションビルの過剰な広告塔化または薄さ軽さ複雑さ透明さとは相反し秋葉原に至っては開口部を極力排したサティアン的な方向へ進みつつある。~~ もちろん世界的にみてもこんなところは無いらしい。 赤と白の配色が比較的多い広告や萌えキャラやギャルゲーな文化で唯一メイドインジャパンで形成されている秋葉原。日本のアイデンティティーはここにしかないのだろうか、それは日本の新しい伝統とも言えるのではないだろうか。そんな事を思ったり。~~ 大塚英志や東浩紀などの見かたとは違う建築側からみたアキハバラ、とても興味深い都市であることは間違いないらしい。~
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 馬場伸一 トップ500レビュアー
形式:文庫
本書が名著であることは、今さら評者ごときがくだくだしく述べるまでもない。
ただ、原著が出されたのは2003年。それから「アキハバラ」は大きく変貌を遂げた。
文庫化にあたって第6章「趣味の対立」が書き加えられ「その後のアキバ」が記述されている。
おたくの「閉じた趣都空間」がマスコミに露出することでねじれながらさらに発展している。
このへんは今後さらに考察が進められべきところだろうが、筆者の切り込みは相変わらず鋭い。
書棚で発見して「即買い」した一冊。
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最近のカスタマーレビュー
まぁ、ありかと。
秋葉原の和製キャラの氾濫やネオンの赤や白がそのまんまナショナリストだとか、都市社会学的・記号論的に?!な部分が多い・・・まぁでも、最近の日本における建築論のレベル... 続きを読む
投稿日: 2009/12/3 投稿者: mimazon
まだまだ最先端の都市論
2003年の原著を読んであまりにも面白く、またこの文庫版を読んでも相変わらず面白かった。この5年ほどの間、『電車男』やメイドカフェの流行などにより、「萌え」という... 続きを読む
投稿日: 2009/5/29 投稿者: ソコツ
個室空間が意匠に
官主導の西新宿、民主導の渋谷池袋台場、そして個(趣味)主導でまちが変化している秋葉原。オタクの趣味の構造が秋葉原という街そのものを変えていると指摘し、サティアン建... 続きを読む
投稿日: 2006/11/28 投稿者: SYOKATSU.COM
なんで秋葉原ってオタクの街に変わりつつあるの?
秋葉原が電気街から何故にオタク趣味の街へシフトし始めているのか?
なかなか簡単には説明出来ない現象を作者は面白く述べているように感じました。... 続きを読む
投稿日: 2005/10/11 投稿者: that
建築とオタクで一粒で二度おいしい
オタク論かつ都市論だがオタクの核心であるセクシュアリティに積極的に触れている。... 続きを読む
投稿日: 2005/9/16 投稿者: enuyon
タイトルと内容の不一致にがっかり
うーん、「オタクの街」秋葉原がどのように作られていったのか、という内容を期待して読んだのですが、都市論というよりは建築論みたいな感じで、途中で話がぜんぜんわからな... 続きを読む
投稿日: 2005/5/20 投稿者: "mmm"
続編を読みたい・・・
「趣味が都市を形成した」というアキハバラの説明は、とても斬新だと思ったけれども、論理を肉付けしていく詳細な部分には、正直強引かな?と思うところも多々あった。看板の... 続きを読む
投稿日: 2004/8/17 投稿者: koopop-inc
本書を要約すると
 類は友を呼ぶという言葉で本書の半分が要約されてしまう。... 続きを読む
投稿日: 2004/5/30 投稿者: shige_u
文句なし!
~アキハバラを軸に都市の表層なんてのは結局趣味の世界だということをはっきり示してしまった本。身も蓋もない本です。ただの個人的な考えの開陳ではなく、アニメが非常に好... 続きを読む
投稿日: 2003/12/6 投稿者: a-saito
アキハバラおたく論
現代の若者は、秋葉を語らずには理解できない。女の子は渋谷でしょうが、男は秋葉、池袋というイメージがある。かっこや体格からして、秋葉に集まる男どもは違う。独特のにお... 続きを読む
投稿日: 2003/8/1 投稿者: 中里雅之
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