1989年6月4日、北京の広場に集まった学生をはじめとする民主改革勢力を武力で鎮圧して以来、中国共産党と政府当局にとって、「天安門事件」は最も微妙な問題であり続けており、現在もこの事件について、触れることさえ許されていない。趙紫陽は当時、政府の当事者の1人だったが、武力鎮圧に徹底的に反対したため、党の長老たちによって書記長の座から引きずり下ろされ、2005年1月に死亡するまで、15年余にわたって自宅に軟禁された。しかし趙紫陽は軟禁中も、政治・経済分野だけでなく、あらゆる方面に深い関心を持ち続け、その非凡な洞察力はますます磨き抜かれた。彼が生を終えるまで軟禁状態に置かれたことは、党と政府当局にとって、彼がいかに''恐るべき人物'だったか、ということを証している。本書はそれでも祖国の現状と行く末を考え続ける趙紫陽の苦悩を、余すところなく伝えている。これまで、趙紫陽に関する情報が極端に少なかっただけに、彼の肉声によって語られる本書の価値は、燦然と輝いているのだ。事件の真相から人間関係、社会主義・共産党の歴史的総括と将来性まで、彼の''本音を読み解くことができる貴重な本である。