本作は日本の古代史を専門とし、関東学院大学教授である著者が
古代史を「日本」という枠組みで切り取るのではなく
「交流」という観点から読みなおそうとする野心的な試みです。
正史が国家によって独占されざる得ないにもかかわらず
その端々に登場する、国家を超えたスケールや国家の外で動いた人々の姿を、
イキイキと蘇らせるとともに
歴史学からも逸脱しない本書―
専門的な記述と、読み物としての面白さを兼ね備えた
とっても稀有な著作であり
繰り返し、食い入るように読みました。
なかでも、新羅商人や奄美諸島から見つかった土器の話は、
とくに興味深かったのですが
これにくわえて
帯に書かれた―
「日本」より先に、国際交流があった
―という言葉などから漠然と見えてくる
筆者が抱く古代史の全体像には
いっそうの興味を持ちました。
網野善彦さんの著作などに惹かれる方には、強くおススメします☆☆