この本の内容は、題名の「超落語」などでは表せきれないすさまじさ、素晴らしさにあふれております。
唯一の欠点は、(落語本全般に言えること)落語というものは会話体で成り立っている一人掛け合いの芸能なので、紹介される
落語のすべてが活字になっていると漫才の台本のようになっているのですね。
だから読み手は、会話の間を自分の頭の中で再構築しながら読まないと、その話の面白さを味わいつくせない恐れがあるということです。
それを差し引いても、談笑師匠の発想の目が覚めるような新しさ、既成概念をぶっ壊す破壊力、壊された
後から生まれる落語のセンスの良さを、驚嘆しながら読むことが出来る一冊だと思います。
私のような従来の落語も知っている落語ファンには、今までの古典落語はこうだったけど、そーいう風にも出来るのか、うーん、新しい!!と感動できるし、
今まで落語を聴いたことが無い人は、昔のことをもっともらしく言われてもぜんぜんピーンと来ないけれど、
この話だったらわかるし、共感できるし笑える!となるんじゃないかと思います。
師匠は新作も作りますが、今回収録されているものは古典の改作です。師匠の改作振りがすさまじすぎて、まったく原形をとどめていなかったりする場合もあります。
発想が飛びすぎて改作の意図を汲みきれないなと思っても、唐沢先生の博識から湧き出る深い考察による解説が
すべての落語についていて、さらにポーンとひざを打てる親切設計です。
この本は談笑師匠のさらに師匠、立川談志が切り開いた道のさらに先を行く、すべてを超えて行けという「煽り」の書です。