長浜監督のロボットアニメの中では、やはりこれでしょう。ロボットだけならコン・バトラーVの方が魅力的かもしれないけれど、作品トータルとなればやはりこの『ボルテス』にとどめを刺す。
なんといっても、シリーズ全体に大河ドラマ的なストーリーを持たせ、それに稀代の名敵役プリンス・ハイネルを生み出し、彼の生い立ちをめぐるストーリーを見事にからませている、というのは今までなかった。それはもう主人公である剛三兄弟の方がかすんでしまうほど。その貴公子としてのふるまいもあって、ハイネルは女性ファンの熱狂的な支持を得た。最終回で敵である剛三兄弟との驚くべき関係を明かされても、ボアザン貴族の誇りを抱いたまま彼が死を選ぶところは、最高の名シーンである。このように、長浜監督はドラマ重視を強調するあまり、第28話のようにまったく主役ロボであるボルテスが登場しない話まで作ってしまうという快挙を達成している。
ワープの目標地に障害物がないことを確かめるため、前もってダミーを飛ばしてみる、といったリアルな描写が散見されて感心させられます。なるほど制作しているのがサンライズだからなあと納得。こういうシーンを探すのも楽しみのひとつでしょう。