95年に「超絶−真の強者になるための麻雀戦術論」というタイトルで発売された単行本の文庫化。桜井章一最初の著作でもある。最終的には桜井の勝負(人生)哲学に結びつくとはいえ、実戦牌譜に対し桜井が解説を加えるという内容なので、麻雀ができない人にはまったく理解できないだろう。
単行本発売時には、それこそむさぼるように繰り返し読んだのだが、その後麻雀をはじめあらゆるギャンブルをスパッとやめたときにこの本も手放していた。書店で偶然見かけ、懐かしさのあまり思わず購入した。いやー実に懐かしかった。
当時は実戦に当てはめながら読んでいたので、桜井の勝負哲学にまではあまり気が廻らなかったのだが、改めて読んでみると凄いと思う。こんなの普通の人には真似できない。
当然のことだが、桜井章一という伝説の雀師に対する毀誉褒貶は多い。20年間無敗伝説の真偽もそうだし、雀鬼流と称される流儀に対する評価もそうだ。
勿論、実際に桜井と対局をしたことなどない私にはその真偽はわからない。しかし、男の顔は履歴書であるとすれば、当時の桜井の顔つきには、既に裏の世界から引退していたとはいえ、間違いなく只者ではない何かが漂っていた。普通ではなかった。桜井章一がそういっているのだから本当なのだろうという説得力があったのだ。