巻頭の舞台は1944年6月のマリアナ沖海戦です。
1巻ではガダルカナル島奪回まで描かれています。
布陣は史実とほぼ同じだと思うのですが、架空の戦闘機「轟天(ごうてん)」が登場します。これが主役機です。
この機体はドイツが開発した世界初の実用ジェット戦闘機メッサーシュミットMe262を一回り大きくし機関砲をMe262の30ミリ機関砲ではなく50ミリ機関砲四門を搭載し更に500キロ爆弾を機内に内蔵できる設定です。(それだけですでに無茶な設定に思えますが)
表紙の画だと機首の四門の他、本文中にはない機首先頭部、翼内にも機関砲?機関銃?があるようにも見えますし、エンジンナセルの形状やキャノピー後方もMe262とはちょっと違うようです。
どういういきさつでこの「轟天」が日本軍にあるのかは、ネタばらしになってしますので書けませんがこの「轟天」がとにかく強すぎるのです。
他に実在する零戦や天山、F6Fヘルキャット、B17、B29なども登場しますし、実際に存在した艦船や航空機などはダメージを負うシーンは結構ありますが「轟天」だけはケタはずれに強すぎて話にならないのです。
空母大鳳に積まれたままの「轟天」が爆撃を受けて喪失する以外、戦闘になると一機も撃破されません。
小破ですら一回もありません。出撃シーンは何度もあるのですが常に一方的で格闘戦にもならずあっという間にケリがついてしまうので読んでいくうちに、またかよと思うようなってしまいました。(実際のMe262も当時のジェットエンジンの性質から格闘戦には向いてなかったようで、上方または後方から追い越しざまに一撃離脱というのがほとんどだったようですが、弱点もあったので向かう処敵無しと言う訳ではなかったと思いますが)
要は架空の戦争小説とは言えストーリーが単調過ぎるのです。
空戦だけではなく艦隊戦などもあるのですが日本軍にいいように事が運び過ぎます。
自分はMe262が好きなので似た機体と言うことで読んでみたんですが、まだ2巻、3巻と続巻がありますが少しは手応えのある内容になってほしいものです。