本書は、スマトラ沖地震津波で最大の被害を受けたインドネシア・バンダアチェの学術
調査を中心に、これと対照させて日本の津波被害の歴史、これから予想される南海津波、
東南海地震などの問題に触れている幅広く且つ中身の濃い本です。災害調査現場のよう
すが手に取るように伝わってきます。日本の理科教育における災害リテラシーについて
も触れています。そして何といっても嬉しいのは、広く一般対象としていますから、文
章が読みやすく、ドキュメンタリー風に読みやすく書けています。難しいことをやさし
く理解してもらおうという姿勢が随所に現れていて大変好感が持てます。
この調査の目標に文理連携型を実践しようという意気込みがあるとのことで、歴史分
野を科学的に捉えた新しいタイプの本といえます。