この著者の話は、一般のアナリストが中々伝えない「裏経済(アングラマネー)」が果たす影響についてと、その時の表の経済がどう反応したか、など、表裏両方の世界のお金の流れが実にスリリングに伝えられることが多いような気がします。
『どんと来い大恐慌』や、つい先日読んだばかりの前作『日本はニッポン』でも、アングラマネーと表の経済のどこにも書かれていないような話が、出てきて、個人的には凄く刺激的でした。
アイルランド経済の二面性、ユーロそのものがマフィアのマネロンには非常に快適な環境であったこと等、こういう話を通じてやっと、世界経済への好奇心を高めるきっかけになるのかな、と感じます。
日本経済について、特に復興政策については、この著者のブログや、現在また始まったYouTubeのアカデミー講座などを見ている視聴者にとっては、補完性が十分にあるということを熟知しているのですが、
それを知らず、この本だけを初めて手に取った人には、そこの部分だけが未消化感が残ってしまうのかもしれない。
その辺りについて、URLを記して、本の中にフォローアップ情報の連動先を示しておけば、よりサービス過剰なまでのこの著者の言論活動を一般の新しい読者に伝えることができたのではと考える。
勿論、アングラの話だけでなく(それは自分が単に好きなだけ)
アメリカ経済がここまでやんでいたのか、というのが衝撃。ハドソン川の奇蹟のニュースは、見ていて、先日もその飛行機が博物館に入ったニュースを見たばかりだっただけに、ショックでもありました。
反面教師的に、考えさせられます。TPP等、なんでも未だに外来の考え方、ビジネスモデルにあやかろうという人に、教えてやりたい話の連続でした。
震災後、確かに我々は現実を直視しなければならない。これには賛同する。
しかし普通の人は、今年におこった超動乱の世界のニュースをいちいち毎日追ってられないし、理解できない。
どうやって直視し、そのために広い視野で世界を俯瞰したいという積極的な勇者には刺激的なお勧めの本だろう。
(後半の自殺率の話には、震災後の自殺率急増のニュースがいよいよ流れ出し、本当に考えさせられる。芸能人の自殺の影響だとか、そんな馬鹿な屁理屈を報道するニュース解説者までいるくらいだ。本当に直視し勇気をもたないと、現在の業種、仕事を失うはめになってしまうかもしれない、、そういうシビアなことについても、読みながら色々考えさせられた。)