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この本の優れたところは、本文の解説をしながら「ここは受験生は分からなくても良い」「この単語は知らなくて良い」などと「受験生が知っているべきところ」と「知らなくて良いところ」を明確に分けているところです。高校の授業などでは全訳を要求してくる馬鹿な教師がいますが、受験において古文などはあまり時間をかけずにさっさと終わらすべきものであって、全訳ができるようになる必要も無いし、実際の試験ではそんなことは不可能です。ですから
この本の指導法は良心的といえます。
この本に収録されている問題はいわゆる中堅私大のものですが、この本が出た10年前に比べて私大の入試問題は簡単になっていますから、この本は古文が得意でない全ての私大受験生にお勧めできます。本文の解説自体が詳しいですから、国立志望の受験生であっても、基礎が出来ていない人にはお勧めできます。
部分理解から文脈や内容を類推して答えを導くというのは、じつはかなり論理的な思考力を要求されます。文章の論理的展開や出来事の因果関係の把握には、高度な読解力が試されるのです。ですから、いくら知識は少なくてよくても、この解法を習得するには、論理性という別の力が要求されるのです。
普段の勉強できちんと単語と文法を覚え、文章の読み込みをして、それでもなお模試や本番でわからない部分がある時の考え方を身に付けるというのが本書の有効な活用法だと思います。
とはいっても、利用価値は非常に高く、古文の得点力アップに本書は非常に役立ちます。
※「マドンナシリーズ」に敬語の間違いがあるという噂があります。じつは、確かに学問的には、「謙譲語は主体が『低位の人』で客体が『高位の人』」という説明には問題があります。しかし、荻野さんは、「実戦的な読解技術」を考えた場合、そう説明するほうがいいと判断したのかもしれません。じっさい100%有効ではなくとも、主語把握に有効な説明ではあるのです。
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