「超」入門は、著者の読者に対する願望を反映していると思います。
この手の教科書は、黄色い本・青い本や、某米系コンサルの本が有名ですが、私見ですが、実務的に観ると、
・米国会計基準(理論理解なら十分ですが・・・)
・敷居が高い(物理的に厚い本、高価だし・・・)
・実務応用が困難(どう活かす?って言われても・・・)
・間違った理解が正せない(Excelを間違ったら・・・悲惨)
の観点から、駆逐艦と戦艦の機能を併せ持つイージス艦のような意図を持った著作が存在しなかったことが問題でした。
その点、この本は電卓片手に読み進められるので、極めて実践的と考えます。
個人的に、ファイナンス(講座)はMBAなり専門課程・専門家領域のようなイメージも手伝って、なお更敷居を高くしていた印象がありますが、現在価値を算定する上で基本中の基本です。
昨今は、企業内外を問わずいろんな立場から企業分析が行われ、曖昧な定義でIR用語か?と思ってしまうくらい企業価値が連呼されていますが、さて「企業価値って何?」という質問に正しく答えられるようになるためには打って付けの教科書と感じます。
私は仕事柄こうした世界に属していますが、果たしてこの内容を「そら」で言える人間は何人いるかな・・・と思ってしまいました。
それくらい内容は濃いですが、読みやすいためあっさりしていています。
金融ビジネスマンや会計士・税理士を志す方、経済学部の大学生、専門学校生には、正に実戦的な教科書としてお薦めできます。
特に、企業経営者本人やその方をサポートする役割の方、即ち「曖昧な日本語表現(経営戦略)を数字で表現して相手(金融機関や取引先等)を説得する役回りの方」には、文字通り教科書になり得るのではないでしょうか?