最初に。本書はDE0の全機能を網羅している訳ではないものの、右も左も分からない初心者が最初の入門書として読むには十分な内容だと思います。
しかし、私自身まだ本書もDE0も購入して日が浅く、全体をさらっと眺めただけで第5章(70ページ)までしか詳しく読んでいません。
また、私はソフト開発については経験はあるものの、ハードウェアに関しては独学で囓った程度で、FPGAは今回が初めての初心者だと言う事を先にお断りしておきます。
その初心者の視点でレビューさせて頂きます。
■良い点
・学習ボードとしてDE0を使うのが前提なので、開発環境のインストールやDE0のハード構成などが図や写真入りで分かりやすく説明されているので、初めてFPGAに触れる初心者でも戸惑わない。
・「習うより慣れろ」の精神で簡単な基礎知識の説明(第1〜6章)の後、実際にQuartus'Uと実機を使って試すと言う流れなので飽きずに出来る。
・開発ツールであるQuartus'Uやエンベデット・プロセッサであるNIO'Uに関してもそんなに詳細では無いが説明がある。
・チャタリング対策や信号の延長についてもそれぞれ1章を割いて図解入りで説明している。
・全体的に文章も平滑で読みやすく、説明も分かりやすいので初心者向き。
■悪い点
・正誤表に載っている11個の訂正の内、半数近くがロジック回路とブール代数に集中している。
・RSフリップフロップの説明が一般的なNORを2つ使った回路では無く、NANDを2つ使った負論理入力になっている。(他のフリップフロップは正論理入力)
しかもRSフリップフロップだけ(負論理入力なので混乱すると思ったのか)タイミング・チャートが載っていなくて文章と回路図による説明だけなので混乱する。
※:実際に回路を組む時には負論理入力の方が便利な時もあるとは思うが、それは正論理の回路と動作を説明した後に変形(応用)として紹介した方が初心者には親切だと思う。
・RSフリップフロップにおいてRとS両方を同時に「真」にしてはいけない禁忌事項についての言及が無い。
・Dフリップフロップのタイミングチャートが間違って居る。(正誤表に記述無し)
・Verilog HDLでのバスの記述例が、本文では[3:1]となっているのに図では[3:0]となっている。(正誤表に記述無し)
これらは分かって居る人にはたわいも無い記述ミスでしょうが、これらは初心者だけが注目する章だけに混乱しそう。
・如何せん、内容の割には税別4,800円と値段が高い。2,800円だったら文句なくお勧めなのだが。
・本書のハガキで買えるDE0のキットも13,800円と割高。(私はDE0は別の代理店から入手しました)
本書との組み合わせで何か付加価値(例えば本来は別売りのLCDが付くとか)があるのならともかく…