年収200万円で年収600万円レベルの生活を送る、それが「超三流主義」。それを実践する極意について綴った書…という謳い文句につられて手にしてみました。
これは、徹底的に節約を進めるための裏技的術(すべ)をいくつも紹介した頷ける部分と、そのかたわらこれは良くできたギャグだとしか形容のしようがない情報に満ちたトンデモ本の部分とが背中合わせになっている気がしました。
効率的節約術として、家電を買うなら3月や9月の日曜の午後7時以降が穴場、スポーツクラブやエステサロンは9月が底値などの情報は、---その理由は本書にあたってもらうとして---流通ジャーナリストという著者(の肩書)の面目躍如ともいえ、なかなか読ませます。
その反面、下着のような目につかないところにお金をかけるなんて愚の骨頂という理屈には賛成しないでもありませんが、だからといって夫婦で男物のブリーフを共有しているというのは、確かに節約術だとはいえ、やはりギャグとして読むべきではないでしょうか。
著者の説く節約術が「物質面での豊かさよりも心の豊かさを」といった清廉さを目指すものではなくて、むしろ打算と思惑に満ちた卑俗な性格を帯びたものに感じられ、読んでいて心が添わないのです。本書の説く裏技のいくつかは、ブリーフの例にもあるように極端な例が見られることもあり、読んでいくと精神的疲労感を覚えました。
本書に書かれていることの多くが首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)に暮らす読者にしか使い出がない情報だというのも難点でしょう。
東京都内の問屋街や激安衣料品店が具体名と共に推奨されていたり、アマンドのシュークリームの効用を紹介したり、ホテルのトイレはリッツカールトンが一押しだとか書いてあったりするので、そもそもアマンドって何?という地方在住の読者にはあまり役に立ちません。
あえて強くはお奨めしません。