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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
超・格差社会ニッポンの真実,
By 67001@厨マコト (神奈川県川崎市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 超・格差社会アメリカの真実 (文春文庫) (文庫)
本書では,著者がアメリカで26年間生活して見えてきたアメリカ格差社会の構造とその生成過程について,筆者の経験や様々なデータを基に書かれている.多くの識者が述べるアメリカ像は一面的だが,本来のアメリカ像は多面的であって,本書もタイトルの通りアメリカのダークサイドを描きつつも「アメリカは基本的にとても住みやすい。エネルギーに満ちていて、人々は明るく、新しいベンチャーが次々に誕生し、興味深い出来事が周囲で次々に起きて、退屈しない。将来を楽しみに、元気に楽しく暮らせる環境であることは間違いない」と明るい面も描き「どちらもアメリカの本当の姿であり、同じものをどこから見るかの違いに過ぎない」と締め括る.さらに,日本の格差問題にも言及し,「高い労働報酬を得ようとしたら、高い人件費に相応しい価値を生み出さなければならないし、そのような価値を生み出すスキルを提供する以外、方法はない。そうであれば、問題は給与格差の存在ではなく、高いスキルを身につける手段や機会、そのスキルを発揮できる機会が平等にあるか否かの問題になる」と指摘し,問題の本質は「給与格差」そのものではなく「機会の不平等」にあるという.資本主義に代わる経済システムがない以上は,「機会の不平等」の存在を認めつつ,如何に「機会格差」を縮小できるかが問われる.本書が書かれたのは2006年のことだが,その内容は昨今の雇用問題を予見しているようである. (でももし,「機会の平等」が実現されたならば,「格差の言い訳」が一切できない訳で,それはそれで厳しい世の中になると思うのだが,いかがだろう?)
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「真実」ではなく「現実」を伝えている本,
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レビュー対象商品: 超・格差社会アメリカの真実 (文春文庫) (文庫)
「主語と述語が繋がらない文が多いな」と思っていたら、それが関係代名詞に起因することが「おわりに」でわかりました。また単行本ではカラーで大きかったのだろうと推測されるグラフや図が白黒で小さく見にくいのも少し残念です。ただし内容は秀逸です。「自由」「平等」「レイオフ」「サラリーマン」といった日本も用いられる言葉に対するニュアンスの違いや、厳然たる格差のある現実を、米国の建国以来の歴史と価値観・倫理観の形成過程とともに分析しています。特に宗教という日本人には理解しにくい部分については納得できる説明がされています。 日本人から見た米国人との考え方の相違だけでなく、P.187の欧州人の視点もなるほどと思うものでした。 2006年の単行本の文庫化ですが、サブプライム問題やオバマ大統領も登場し、しっかりと加筆されているので今読むべき本だと思います。「アメリカの真実」というよりも「現実」を伝えてくれます。
20 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ミイラ採りがミイラにならず、真実の玉手箱を持ち帰ってきた。大推薦の凄い本,
By 柴風 (青森県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 超・格差社会アメリカの真実 (文春文庫) (文庫)
アメリカに関して、現在の格差社会に関して、われわれはこんな本を待ち望んでいたのだ。1980年から在米26年、経営戦略コンサルタント/アナリストとして、また、一アメリカ市民として、頭と肌で長年アメリカの空気を吸ってきた著者による、渾身の分析・考察本である。 この本一冊で、現代アメリカの骨格を鋭くかつ本質的に捉えることが出来る。 また、あの自由平等(を標榜する)の国で、なぜかくも格差社会が進み、しかも、多くの国民がそれを是にしている(ようにしか見えない)のか、その謎に何歩も肉薄し、われわれに研究の糸口をいくつも与えてくれる。 それにしても、よくまあ、アメリカに洗脳されず、かといって極端な国粋主義者に反動することもなく、さらに陰謀史観や経済学者の木で鼻をくくった議論に陥ることも無く、このようなすばらしい著書を物することが出来たものだ。 私が特に凄いと思ったのは、第4章「−−自由の国アメリカはいかにして階級社会国家となったのか?」で、わずか50ページ足らずで、二百数十年の米国史を概観して見せてくれる。これはほんとうにためになった。種本やらブレーンがいるのかもしれないが、そんなことはどうでもよい。とにかく、著者の筆力はすばらしい。多少難しく硬いところもあるが、二日間で読了してしまった。 かつてわが国では一億総中流時代といわれたこともあり、吉本隆明なんかも、80年代の末から90年代初め頃に、ハイ・イメージ論や情況への発言で、今90%がそうなら、将来は100%に近づいていく、なんてノーテンキなことを説いていたが、本書を読むと、当時の作者読者(もちろん自分のこと)の無知さかげんに苦笑してしまう。 著者は現代のアメリカを 1)特権階級 2)プロフェッショナル階級 3)貧困層 4)落ちこぼれ の四層に分けて捉えている。あれ、中産階級はどこへ行ったの? ということになるが、それは本書を読んでのお楽しみだ。 ちなみに、著者の小林由美は、日本人で初めてウォール街の証券アナリストになったのだという。さらにその前には、日本長期信用銀行に女性初のエコノミストとして入社したらしい。やはり、「真の」パイオニアは違う。今はやりの某カリスマ主婦なんかと、レベルが違うのだ。 経済問題に少しでも関心がある日本人は、是非この本を精読するべきだ。 唯一つの弱点は、数多く用いられているグラフが、いずれも小さくて見にくいのとちょっと素人には難しいことくらいかな。
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