人は誰しもその心の中を探れば、素晴らしい本との出会いの一つや二つが浮かび上がるであろう。日々の生活の埃に覆われ、普段は意識の表層には出てこない。だが、その記憶は長い時を隔てても決して消え去らず、輝きを失う事もない。私にとっての忘れ得ぬ本、それはMJ清水草一著「そのフェラーリください!」である。何故、あれほど強烈な感動が与えられたのか、まず氏の卓越した力量がある、そして出会った車の一台一台が輝いている。さらに登場人物の一人一人が確かにそこに存在しページの中で生きている。きっとそれらとの出会いがまた、その時に、その為だけに存在していたのではなかろうか、そう思わずにはいられない。そして問題の新著「超フェラーリ主義。」である。「現代の神話」の章にみられる氏の卓越した洞察力は、読む者すべての心情がそこへ投影され、やがては灰になる人間の不条理を切ないまでに描写する。
MJ清水草一著「超フェラーリ主義。」、またしても忘れ得ぬ一冊の本として、私の中に強烈に刻み込まれてしまった。私と氏の著書と出会い、タイミング、その総てが、まさにBINGO!!な訳である。