損の多い生き方を改善したい方に勧めます。
一部の異才だけに通用する特別な方法ではなく、私たち一般人にも役立つ「生き方のコツ」は、「ことわざ」に集約されています。ですから、好きなことわざを3つほど選択して、生き方のスタイルを貫徹すれば、人生うまくいくわけです。しかし多くの方は、頭では理解しても、なかなか実践が伴いません。
せっかくのことわざも、場当たり的に現状肯定の材料にしていたのでは、本来の価値を発揮しません。また、多くのことわざは原則を述べているので、個別具体的な場面で行動の指針を得るためには、応用のコツを要します。そこで著者は、「情けは人のためならず」「人のふり見てわがふり直せ」「善は急げ」の3つを(仮に)選択し、「仕事」と「プライベート」における具体的な実践例を紹介していきます。
結局のところ、「不合理な生き方は損だ」ということに話は尽きます。ことわざに従って生き方を一貫させるのは、そのための手段です。では、その行き着く果てにあるものは何か? 終章では、効率化によって生じた人生の余裕と向き合うことになります。
以上の通り、本書の骨子はシンプルです。しかしタイトルや表紙が体現している通り、本書は装飾たっぷりの仕上がりとなっています。
何だかんだいっても著者の提案は「簡単なようで難しい」。多くの人は、理性では合理的な行動を理解しても、感情が不合理に走りがちです。本書に本論を逸脱した記述が横溢しているのは、楽しく読めるようにすることで、常識的な内容を読者にしっかり受け止めてもらう工夫でしょう。合理性を追求した結果が無味乾燥なものでないことは、本書を見ればよくわかります。
じつのところ、私はライフハックには興味がなく、著者の文章の面白さに惹かれて本書を手に取りました。暇つぶしに読むにも適した1冊だと思います。