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起終点駅(ターミナル)
 
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起終点駅(ターミナル) [単行本]

桜木 紫乃
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,575 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容説明

生きて行きさえすれば、いいことがある。

笹野真理子が函館の神父・角田吾朗から「竹原基樹の納骨式に出席してほしい」という手紙を受け取ったのは、先月のことだった。十年前、国内最大手の化粧品会社華清堂で幹部を約束されていた竹原は、突然会社を辞め、東京を引き払った。当時深い仲だった真理子には、何の説明もなかった。竹原は、自分が亡くなったあとのために戸籍謄本を、三ヶ月ごとに取り直しながら暮らしていたという――(「かたちないもの」)。
道報新聞釧路支社の新人記者・山岸里和は、釧路西港の防波堤で石崎という男と知り合う。石崎は六十歳の一人暮らし、現在失業中だという。「西港防波堤で釣り人転落死」の一報が入ったのは、九月初めのことだった。亡くなったのは和田博嗣、六十歳。住んでいたアパートのちゃぶ台には、里和の名刺が置かれていた――(海鳥の行方」)。
雑誌「STORY BOX」掲載した全六話で構成予定です。

【編集担当からのおすすめ情報】
第146回直木賞候補作にして2011年下期には書評家・編集者の注目を一気に集めた『LOVE LESS(ラブレス)』から6ヶ月、デビュー短編「雪虫」から10年目に満を持して、最高傑作登場!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

桜木/紫乃
1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。07年、初の単行本『氷平線』が新聞書評等で絶賛される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 252ページ
  • 出版社: 小学館 (2012/4/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4093863180
  • ISBN-13: 978-4093863186
  • 発売日: 2012/4/16
  • 商品パッケージの寸法: 18.6 x 13.2 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 71,176位 (本のベストセラーを見る)
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カスタマーレビュー

最も参考になったカスタマーレビュー
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By machi
 5点は甘いと思うけど、1点つけてる人がいるので悔しくて加点します。これ読んで1点はねえだろ。
非常に端正で質の高い短編集だと思います。
どれをとっても1時間のNHKのいいドラマの見本になる。浅田次郎読んでびいびい泣いてる人がこの世の中にあんだけいるのだから、この作者の作品はもっと評価されていい。恋肌を読んだときは甘いな、と思いましたが、それよりずいぶん完成されてます。ただし、表題作より新人新聞記者を主人公に据えた2編のほうが奥行きがある。
逆にスクラップロードや、かたちないものは他に比べるとやや薄い。私ならこの本の表題は「たたかいにやぶれて咲けよ」をとる。起終点駅としたことで、甘くなってしまった。
映画化を視野に入れてる?
 最終話、潮風の家も、出自に翻弄される女性を描いてラブレスを思い出させてほろりとする。
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5つ星のうち 5.0 初めての桜木紫乃 2013/5/3
By tantanmiitako VINE™ メンバー
Amazon.co.jpで購入済み
「かたちないもの」「海鳥の行方」「起終点駅」「スクラップ・ロード」
「たたかいにやぶれて咲けよ」「潮風の家」と6篇が収められている
桜木綾乃「起終点駅」を2〜3日かけて読みました。家事の合間合間に。
タイトルの「起終点駅」より「たたかいにやぶれて咲けよ」が
一番おもしろかったです。これぞ小説というか暗示している事柄が最後に
わかるというかそこへ行くまでのあれこれが緻密な計算の元に組み立てられて
いるようでナルホドなぁと感心させらました。
ただ本の帯にあるような「圧倒的な人間ドラマ!」とか
「苦しんでも、ないても、立ち止まっても、生きて行きさえすれば、
きっといいことがある。」とかこういうのって余計な気がします。
おおきなお世話ってかんじだし。売らんがための手段が見えみえで
こんなこと書かなくなっていいものはいい。今の世の中そうじゃあダメ
ってことかしら。全編を漂っているのは孤独感。その孤独っぽさが
好き。サラサラ読めるし。いい小説でした。
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桜木 紫乃を手にするのは『ワン・モア』『ラブレス』に続き3冊目。

本書は、6編からなる短編小説集だが『ワン・モア』と違い、(2編は同じ女性新聞記者を主人公に据えてはいるが)連作の形は取っていない。
但し、物語の背景や経緯は当然にして各々違うものの『行き詰った』人生を抱えている男をあるいは女を描いている点は(『ワン・モア』『ラブレス』を含め)共通している。

まず、特筆すべきは、その研ぎ澄まされた表現だ。物語のツボとなる部分は、もちろん何気なく読み飛ばしてしまいそうな心理描写や風景描写にも作者の表現への強い拘りと
鋭い感性を感じさせる。
例えば第1編の『かたちにないもの』では、“化粧がうまくなったぶん、内側にある表情が読み取れなくなっている。”
“竹原は函館で自分を生き直す代わりに、東京で笹野真理子という人間を生んだ。”etc.etc.

テーマである『行き詰った』人生を抱えている男をあるいは女に対する作者の視線は、基本的には硬質でビターだ。行き詰った人生を「生きる」ことに
何程の意味があるのか?と、裏返しに「死」はさほどのものかと…。
しかしながら、冷めた視線を硬質でシャープな文章表現で重ねたその先に、“それでも『生きていく』”という作者の強い想いが押し寄せてくる。

作風は違うものの『晴天の迷いクジラ』の窪美澄と共に、閉塞感あふれる“今”を“生きる”ことの意味を問う“桜木 紫乃”今後も期待して読んでいきたい。
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