評価が高いので、購入して読みました。
この本をありがたがっている読者は事業の経験がないのだと思います。なので、警告を書いておきます。ベンチャーキャピタル関係の方は消したくなるでしょうけど。
この本で得られる知識は、経営を説明する道具についてです。そこはわかりやすくて、よい本です。
が、よく読めば、いかにベンチャーキャピタルというものがどうしようもない業種であり、かかわってはいけないか読み取れます。
最初に指摘したいことは、近年、MBO(経営者が株式を買取り市場から撤退)が多いことをどう考えるか、です。ここ数年、上場してもうまみがないのです。
公募割れもしょっちゅう。資金調達も面倒なのに、透明性を要求され費用は莫大にかかります。
IPOして一攫千金なんて時代はリーマンショック前の話しです。経済を毎日眺めていたらわかることです。
次に99%のベンチャーキャピタルの社員は経営した経験はありません。ほとんどがお固い金融機関出身者で固められています。事業リスクを語れるどころか、そういうリスクが嫌いな人々です。
何十というベンチャーキャピタルに会ったことがありますが、彼らは実績がすでにあって伸びている会社にしか興味はないです。
この本ではあたかもビジネスモデルに投資するようなことを書いていますが、そんなリスクを金融出身者が負うわけありません。
会社の資産算定はすごく熱心にします。要するに無担保融資に近いのです。
種類の違う株を発行させ赤字だろうがなんだろうが、配当という形で利息をもっていくという手法も横行しています。
それでお金を入れたからと、六本木の飲み屋で聞いてきた程度のレベルの話で、口を挟んできます。
もっとひどいところは、投資するからコンサルティング料をよこせといって、もらったらドロンです。
経営者の無知につけ込む自称ベンチャーキャピタルは、非常に多いのです。
いずれでも、経営者は事業に邁進できないどころか、誤った方向へ行かざるをえなくなることも少なくありません。日本でのハンズオンというのは、この程度のレベルです。まだ先輩の話を聞いたほうがマシです。
要するに、お金はお金。騙し合い、取り合いです。「資本」という言葉に騙されずに、アカの他人にお金を借りて株式を渡すとどういうことになるか、よくよく考えたほうがいいです。乗っ取られても文句はいえません。そういうことには長けた人たちです。
ごくたまに経営経験があり、長所を伸ばそうというベンチャーキャピタルはあります。
もし、あなたが見つけたら、いきなり資本ではなく、メンタリングを受けてください。
見つからないのであればベンチャーキャピタルを探す暇を、本業でなにかの成績を上げることに振り向けるべきです。
当初の運転資金は、公的機関の貸与、補助金から考えるのが王道です。その時に、この本で紹介されている技術が役立つことは事実です。
儲かれば、勝手にハエのようにベンチャーキャピタルが群がってきます。
なお、ストックオプションというのは裏で株を安く水増しする行為であり、公募で購入する株主に不利な施策であること、もらった雇用者は課税対象となることは忘れてはいけません。