本文内で引用されている「問題はシンプルで、日本の医療は医療従事者を犠牲にし、アメリカの医療は患者を犠牲にしているだけです」とのコメントがすべてを表している。
前政権下でようやく社会保障制度改革すなわち増税により、少子高齢化を迎えるもとで医療を含む福祉を賄うという下地が見えてきたところで、当事者である医者からの医療崩壊に対抗する処方箋提示は素直に賛同せざるをえない。
当著内で記されている他国と比較した医療費割合・医師数などの数字を見れば、世界一とも言われる日本の医療制度の現状維持はままならず、このまま医師の個人的努力の限界に伴う医療崩壊に任せるか、厚労省・財務省主導の財政危機論を排し他先進諸国「並」に公が金を使うかの二択であることが端的に示される。
また既存メディアでは大きく報道されない(ネットでは医師出自のオピニオンリーダーがおり異なる)が、新しい労働組織として「全国医師ユニオン」が立ち上げられたということは覚えておきたい。