読後の感想は「私にはできるだろうか、ここまでやれるだろうか」。
バーニーズのマージは11歳。バーニーズにしては長生きだそうだが、そのマージが悪性組織球症という治療法のない病気にかかり、余命3ヶ月を宣告されてからの日々が日記形式に綴られている。
暑い東京を離れて、少しでもよい環境で過ごさせてやりたいと軽井沢に貸し別荘を借りた著者。そしてつきっきりでマージの世話と看病をする。その日々はあまりにも細やかで、マージと著者の間にあるのは濃密な愛だ。足腰が立たなくなったマージをカートに乗せて外に連れ出し、毎食手作りご飯を与え、食べたと言っては喜び、おしっこが出ないと言っては嘆き哀しむ。
これは恋愛小説のようだ。マージ、マージ、マージ。1ページに何度この言葉が出てくるだろう。何があってもそばにいるよ、なにも怖がることはないよ、と語りかける著者に私も泣いた。
動物を飼っている以上、飼い主が先に逝くことは許されない。責任を持つというのはそういうことだ。どんなことが起きても最後まで看取らなければならない。それがたとえなすすべなく見ているだけだとしてもだ。苦しませたくない、痛い思いをさせたくないと願うのは動物を飼っている者なら誰しも思うことだ。そして馳さんはできうる限りそれを実行した。マージは最高に幸せな犬だったと思います。