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赤色エレジー (小学館文庫)
 
 

赤色エレジー (小学館文庫) [文庫]

林 静一
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 660 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

▼第1話/赤色エレジー▼第2話/アグマと・息子と・食えない魂▼第3話/吾が母は▼第4話/赤とんぼ▼第5話/山姥子守唄▼第6話/花ちる町▼第7話/桜色の心
●あらすじ/マンガ家を目指しながらも上手くいかない一郎と、そんな一郎を愛し支える幸子。二人は共にしがないアニメーターとして仕事をしながら、どうにか日々を暮らしている。この二人のなんとも刹那的で行き場のない同棲生活とその破綻を、独特の前衛的なタッチで描いた、マンガ史に残る名作(第1話)。
●本巻の特徴/表題作の他、地獄にいる悪魔の親子の話「アグマと・息子と・食えない魂」、カエルの子供を主人公に戦争を描き、日本とアメリカの関係を暗示させる「吾が母は」など、ひたすらシュールな中・短編を全7話収録。
●各作品初出年度/▼「赤色エレジー」1970年▼「アグマと・息子と・食えない魂」1967年▼「吾が母は」1968年▼「赤とんぼ」1968年▼「山姥子守唄」1968年▼「花ちる町」1968年▼「桜色の心」1971年
●その他のデータ/「赤色エレジー」に強い感銘を受け、同名の自作曲が1972年に大ヒットしたあがた森魚氏のエッセイ「僕たちの暴力や殺戮(さつりく)がいつ止むとも知れぬ今しがた……」を巻末に収録。

出版社からのコメント

70年代のマンガ界を代表する作品のひとつである、一郎と幸子の幸薄い同棲生活を描いた表代作「赤色エレジー」をはじめ、シュールな7作品を収録した中・短編集。

登録情報

  • 文庫: 367ページ
  • 出版社: 小学館 (2000/07)
  • ISBN-10: 4091924719
  • ISBN-13: 978-4091924711
  • 発売日: 2000/07
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
よく小説で「行間を読む」という言葉を耳にするが、
この作品は「コマ間を読む」と言った感じだろうか。
あの時幸子は本当は何を言いたかったのか、とか、
あの沈黙の間一郎は何を考えていたのか、とか、
そこでは決して明確に描かれることはないのだけれど、
コマとコマの間にうっすらと浮かび上がる、
匂い立つようなリアルが感じられる。
どんな限界状況にあっても手放すことの出来ない
二人のお互いへの愛情の深さに嫉妬すら感じてしまう。

巻末であがた森魚氏この作品の素晴らしさを
うまく解説しているので、こちらも必読。

このレビューは参考になりましたか?
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 この作品が辛く哀しい恋の話であることは確かだ。しかし、これだけでは伝えきれないものがある。単純化された絵の白と黒の哀しい感じ。その間に現れるリアルな描写の迫力。それらが複雑に組み合わされていて、作品に一貫した静寂と緊張感を与えている。

 二人の男女の相手に対するやさしさ、愛情を伝えきれない不器用さ、相手への甘え。
 二人はそれぞれに家族との問題を抱えている。相手のことを思うたびに傷つき、傷つけてゆく。その悪循環に男女は流されてゆく...。

読み終わったあと、考える。「もし、僕がこの男女の立場になったとしたら、何ができただろう?」と。答えは...わからない。僕は、まだ若すぎる(高校生)。答えがあるのか、ないのかさえまだ...わからない。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By pinkman
形式:文庫
日本には「ハイク」という詩形式があり、池にカエルがとび込んだ、という記述のみによって宇宙全体を表現する、と学びましたが、あまり信じてはいませんでした。

しかし、今では私は間違いを認めなくてはなりません。『赤色エレジー』に出会った後では信じられます。狭く貧しいアパートメントに生起する簡素なマンガストーリーが何故、こんなにも広大な世界を思わせますか。ほんとうに不思議です。何も描かれていない余白には「ZEN(禅)」の気韻が満ち、何も説明しないショットがナーガルジュナの学説で言う「すべて」を語り、直接エロチックな描写はないのに逆にそれが、あるいは沁みわたるようなエロス。これが産業革命以降に達成された「ハイク」精華であるのは大きな奇跡で、東洋の魔法です。横四段に仕切られた画面コマの中で空を仰ぎ、肩を揺すり、ポケットに手を入れたまま俯いて走り出す一郎の、大いに単純化された黒いシェイプとその配置は、写真集で見た「竜安寺」の石庭のようです。大胆で精妙な人物カタチの動きには林静一のアニメーターとしての経験の投影が明らかで、あらためてアニメは現代日本文化の象徴であると、想起されます。これを読まない人は可哀想です真実。
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