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赤紙と徴兵: 105歳最後の兵事係の証言から
 
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赤紙と徴兵: 105歳最後の兵事係の証言から [単行本]

吉田 敏浩
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

兵事書類について沈黙を通しながら、独り戦没者名簿を綴った元兵事係、西邑仁平さんの戦後は、死者たちとともにあった―全国でも大変めずらしい貴重な資料を読み解き、現在への教訓を大宅賞作家が伝える。渾身の力作。

村人に毎日のように赤紙(召集令状)を届けつづけた兵事係、西邑仁平さん(105歳で亡くなった、滋賀県大郷村〈現・長浜市〉)は、敗戦時、軍から24時間以内の焼却命令が出ていたのに背き、命がけで大量の兵事書類を残した。「 焼却命令には合点がいきませんでした。村からは多くの戦没者が出ています。これを処分してしまったら、戦争に征かれた人の労苦や功績が無になってしまう、遺族の方にも申し訳ない、と思ったんです」 警察や進駐軍による家宅捜索への不安の毎日。妻にさえ打ち明けることができなかった。100歳を超え、ようやく公開に踏み切った。赤紙は軍が綿密な計画のもとで発行し、人々を戦地に赴かせていた。兵事係は、その赤紙を配るだけでなく、戦死公報の伝達や戦死者の葬儀なども担っていた。

内容(「BOOK」データベースより)

命がけで残した兵事書類について沈黙を通し、独り戦没者名簿を綴った元兵事係の戦後は、死者たちとともにあった―。なぜ、国家は戦争ができたのか、なぜ、かくも精密な徴兵制度が稼働したのか、戦争遂行は上からの力だけではなかった。村の日常から戦場への道のりを追った力作。

登録情報

  • 単行本: 318ページ
  • 出版社: 彩流社 (2011/8/1)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4779116252
  • ISBN-13: 978-4779116254
  • 発売日: 2011/8/1
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 何となく、戦争の時のお上の仕事と思っていた赤紙配布のシステム。なるほど学校、行政組織の役割ってこうだったんですね。
こんな風にして短い間に、国の中身を空っぽにしてしまったわけか……と救いのない気持ちで本を閉じました。
救いのないのは、国というのは、こういうことができてしまうのだという確認のせいかもしれません。
いったん流れに乗ってしまえば、声をあげようと言ったって渦にのみこまれてしまうのだから、
安易な掛け声を自分にかけて安心してしまうのはやめたいと思いました。
 焼却命令に背いてくださった西邑さんと、地味な取材をまとめられた著者の吉田さんの存在に、少しほっとします。
星では評価できない種類の本ですが。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By JIJI
自分がこの戦争の時代に生きていて、徴兵される側で戦場に赴いたら、徴兵する側で赤紙を渡す役割になったらと想いながら読む。出兵する本人と親の表と裏の気持ち、赤紙が来るという表現、この時代の空気感が伝わってくる。
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By ちっちゃいおばちゃん トップ1000レビュアー
太平洋戦争終結に至るまで、各地の市町村役場には「兵事係」というものが存在していました。
徴兵検査や召集令状の交付など、兵事に関する膨大な業務を取り扱い、
悪名高き「赤紙」を召集者に届けるのも、この「兵事係」の仕事でした。

終戦直後、証拠隠滅をはかった軍上層部は各地の役場に命じて、保管されている徴兵関連資料を焼却処分させました。
このため各地域での徴兵の実態は、もやの向こうにかすみ、長らく謎となってきたのですが、
近年、かつての「兵事係」の中に、召集のむごい事実を後世に伝えようと、
軍の命令に背いて役所から資料をごっそり持ち帰り、自宅で大切に保存してきた人のいることが明らかになって、
この方面の研究が一気に進みました。

この本で紹介されているのも、
そうして守られてきた貴重な資料によって明らかになった事実です。

そもそも戦場へ駆り出される召集者は、一体どのような場所で、誰によって、どのように選抜されたのか。
そうして選ばれた召集者のもとに、「赤紙」がどのように届けられたのか。
まさに迫真のドキュメントと呼ぶにふさわしい生々しさで、具体的な事例が紹介されていきます。
無辜の家族が戦争によって引き裂かれていくむごたらしさに胸を締め付けられるのはもちろん、
当時の軍部や国家が、地域の役所を通じて、人々の暮らしの隅々にまで光らせていた監視の目がいかに戦慄すべきものであったかが、
改めて思い知らされ、寒気を覚えます。

扱っている題材はこの上なく重いのですが、練達の筆者による文章は実に明快で読みやすく、
また、ページをめくる手がもどかしくなるほどの、「読み物」としての魅力もふんだんに備えています。
手軽に読めて、しかも教えられるところは限りなく深いこの一書は、戦争について考えてみたくなった全ての人におすすめです。
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