当温度計は20℃前後の常に居る部屋で使用するにはすばやく、かなりの精度で物体の表面温度を測定できるのですが(例として、お茶、コーヒー、料理物、壁、天井、床、冷倉庫内の温度など。D:S比は12:1)暖かな部屋から外気温5℃前後の屋外に持ち出し、地面の温度などを測定すると、10℃以上低い温度が表示されてしまいます。
原因を推測すると、いくら赤外線で測定するといっても、メカニズムは熱電対を利用したものであって原理は熱電対の温接点に赤外線を当て、冷接点との温度差を測定するものであって、基準になる冷接点の温度は内部のサーミスタによって測定され、この温度で補正されて表示されるものです。このため屋外などに持ち出した場合、基準となる冷接点の温度が常に正しく測定されていることが必要です。したがって測定値の精度も必要ですが、使用環境の温度変化にどれほどの配慮がなされているかが製品の隠れた実力となります。
この点、AR300型はポケットに入れ、出歩きながらその場その場の温度を測定するには不向きなものでした。(購入してから気が付くのでは遅すぎました)
他社の製品には持ち歩いても正確にその場の温度が測定できるように工夫のされたものも存在しますが仕様に詳しく書かれてはおらず、用途などの表現に環境管理などと書かれることもあります。
今回の問題は物を作る人はいろいろな工夫を行っているのでしょうが、物を売る人は知らないというのか、知らないふりをしているのか、製品の特徴となる情報を購入者に伝えておらず残念です。
(他社の製品には「周囲温度の変化が大きすぎます」とエラーメッセージが出るものもあります。自社製品の弱点は宣伝しないのが商常識なのでしょうが、このような機会が商品購入の参考になればと思います)