ゲーム世代を思わせる絵柄に躊躇していたのですが、レビューが好評なので購入してみました。
面白いです!絵柄は現代的でさほど好みではないのですが、キャラクターも魅力的ですし、呉の内部事情について深く突っ込んだ描写がされていて、読後いろいろ考えさせられました。
孫権は活躍が地味なせいか、三国志作品の中でもあまり評価が高くなかったりしますが、こう、真正面から描かれているのが嬉しいです。良く描かれているというより、再評価というか、彼の功績ってこういうことだと思っています。孫策の評価共々、私はこの見方、当を得ているんじゃないかと思うのですが。
周瑜や陸遜との関係性も他作品であまり見られなかったパターンで、好みはともかく、これもありだと思わせられます。周瑜は正史寄りの作品だと出来た人物に描かれることが多いので、このちょっと尖った、未熟さも目立つ描写はかえって新鮮でした。そのぶん程普や魯粛が大人でカッコイイです。劉備も味のあるいい役回りしてますし。
地元豪族との確執や河北出身者との想いの齟齬、それがどう国としての動きを制限し、障害となるか…具体的に描かれると驚かされます。孫権の合肥戦線にそんな意味合いがあったとすれば、深いなぁ。
あと呉が抱えていたはずの異民族問題は確かに出てきませんね。まともにこれ以上描くと収集がつかなくなるのでこの作品では省いた、というところでしょうか。
ビジュアル面含め、必ずしも実像を追求して描こうとされてはいないと思いますが、正史のエピソードを思い起こさせる描写も多く、一辺倒でない解釈に付け焼き刃でない作者の思いを感じます。呉ファンの方はとりあえず一読をおススメ。