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赤の書 ―The“Red Book”
 
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赤の書 ―The“Red Book” [大型本]

C・G・ユング , 河合 俊雄 , ソヌ・シャムダサーニ , 田中 康裕 , 猪俣 剛 , 高月 玲子
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 42,000 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

■ C・G・ユングの非公開の書がついに公刊。
16年余りの長きにわたり、ユングが私的な日記として自ら手書きで緻密に書き綴った『赤の書』。そこには、その後のユング思想の中核となるものがすべて記されていた。しかし、さまざまな理由から『赤の書』は黒いトランクに入れられ、スイスのとある銀行の金庫の中で半世紀近くのあいだ眠りつづけることになったのである。その伝説の書物が、2009年10月、ようやく日の目を見ることになった。
細かな部分まで丁寧に描き込まれた大小さまざまな極彩色の美しい絵の数々、綿密な構成のもとに、ページぎりぎりまでびっしりと書かれたカリグラフィーの文字。さながら「ケルズの書」のような聖書の豪華装飾写本を思わせるこの書を、現物と同じ大きさのまま、日本語訳を付してお手元にお届けします。

■ 本書の特長

◎ 世界数カ国で翻訳出版
英語版、ドイツ語版、日本語版のほか、世界数カ国で刊行予定。

◎ 134点の美しい絵とカリグラフィー
大判のページいっぱいの絵が53点、カリグラフィーの文字の合間に驚くほど精密に描き込まれた大小の絵が81点含まれる。オリジナルの美しい色合いを忠実に再現するため、カラーページはすべて、優れた印刷技術を誇るイタリアのモンダドーリ社で印刷。

◎ 圧倒的な絵の迫力
通常の意識状態からは想像もつかない無意識のエネルギーの奔流。ユングが自己実験と呼んだ《無意識との対決》のなかで、この『赤の書』は書かれた。ここに描かれているのは、まさにわれわれの想像を遙かに超えた、人間の無意識の深遠なる未踏の世界の姿である。

◎ 研究者必携の貴重な資料
本書には、ユング思想の中核をなす「元型」「普遍的(集合的)無意識」「個性化の過程」など、その後に展開されたユング心理学の主要 な概念の起源がすべて含まれている。ユングの提示する新しい心理療法のモデルを理解するための、決定的に重要な一次資料と言える。

◎ 文学、美術、宗教などへの大きな影響
本書の内容はきわめて文学的な形式をとっており、かつあらゆる芸術領域や、魂の救済を説く宗教領域の人たちにも多くの示唆とインスピレーションを与えてくれるだろう。


刊行記念特別価格 37,800円(2010年12月末まで。以降定価42,000円)

登録情報

  • 大型本: 464ページ
  • 出版社: 創元社; 初版 (2010/6/26)
  • 言語 日本語, 日本語
  • ISBN-10: 4422114360
  • ISBN-13: 978-4422114361
  • 発売日: 2010/6/26
  • 商品の寸法: 43.2 x 32.2 x 6.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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26 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By pegasus VINE™ メンバー
形式:大型本|Amazonが確認した購入
ユングによる手書きのカリグラフィーと絵を再現するためとはいえ、
美術書と同じA4拡張サイズと高額な値段は、本書を心理学書とは言えない特殊な本にしてしまった。
内容に関してのレビューがほとんどない点でも、本書の特異さを如実に物語っているだろう。

本書を読んだ第一の感想としては、ユングの著作の中で最も難解な著作であると感じた。
それは、『ツァラトゥストラはかく語りき』がニーチェの著作でもっとも難解だと感じるのと同じ類の難解さである。
文体は寓話や神話の形式で書かれ、その内容は(ユングが「元型」と呼ぶ)無意識のイメージとユングが対話するものであり、
それを経験しない我々にとっては、単に物語以上の内容を把握するのに非常な困難を感じるであろう。

「序論」に以下のように解説してあるように、本書はニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』を前提に書かれていると言える。

<P218>
そして、後者のような象徴的な作品の例として挙げられているのが、ゲーテの『ファウスト』の第2部であり、ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』である。
ユングは、これらの作品が集合的無意識に由来するものであると理解していた。

また、「序論」には以下のように書かれおり、ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』が占星術で言う「プラトン月」における「双魚宮時代」の終わりを告げ、
その代わりとなる神話を作ろうとする試みであったと言えるのではないだろうか。
この問題はニーチェ自身では解決できず、結果、ニーチェの晩年の狂気を予言する書となってしまった。

<P206>
しかし、ツァラトゥストラが神の死を宣言するのに対し、『新たなる書』は魂における神の再生を描いている。

一方、ユングはニーチェが取り組んだのと同じ問題に取り組み、自分の無意識と対話しながら本書を記述した。
このため、本書は占星術で言う「プラトン月」における「水瓶座時代(アクエリアス時代、宝瓶宮時代)」を告げる書であり、
かつユングの後期の著作にとっても始まりを告げる書となっており、原題に「新たなる書」と名付けた理由を伺わせる。

また、「エピローグ」には以下のように書かれているが、途中で筆が折られている。

<P405>
私はこの本に16年間にわたって取り組んだ。1930年に錬金術と出会ったことが、私をこの本から遠ざけた。
終わりの訪れは1928年にやって来た。そのときヴィルヘルムが、錬金術的な性格の小冊子『黄金の華の秘密』のテキストを私に送ってくれたのである。
その本の内容に現実への道筋を見出し、私はもはやこの本に再び取り組むことができなくなった。

上記に書かれたように、中国の錬金術書である『黄金の華の秘密』の翻訳に出会うことにより、本書に描かれたイメージが個人を超え、
更には西洋を超えた人類普遍のイメージであることに気づき、本書を未完のままとし、本書の出版を止めてしまっている。
その意味では、編者の以下の記述は言い過ぎであり、本書を完成させる代わりに、後期の著作を完成させた言っても過言ではないと思う。
(ユング自身本書の執筆中に自信が狂気に陥るのを危惧していたが、中国の錬金術書に出会わなかったとしたら、その晩年はニーチェと同じ狂気に陥ったかもしれない。)

<P227>
『新たなる書』を細かく検討しなければ、ユングの後半の仕事の起源を把握し、彼が達成しようとしていたものを十分に理解する地平に立つなど絶対にありえない。

その一方で、ユングの著作を読んできた読者にとっては、「監訳者後記」に書かれた以下の記述は十分に納得できる。

<P422>
ユングのことにある程度詳しい読者は、ユングが理論的に書いている著作が、ほとんど当時の体験に基づいていることに驚かされるであろう。
そればかりでなく、さまざまな著作で重要な象徴として取り上げているものは、ほとんど自分で体験していたことがわかる。
だからこそ、著作にあれだけの迫真性があったのだと気づかされる。

本書の購入を迷っているのであれば、個人的にはユング後期の著作こそが本書の解であり、それら多くの著作の方をお勧めしたい。
しかし、美術的価値や骨董と同様の価値を感じるのであれば、本書を購入しても「買って損した」と感じることはないであろう。

本書より価格の安い英語版や独語版を勧めるレビューがあるが、「監訳者後記」に書かれているように、本書(日本語版)は
英語版と独語版の2つを基にこれら2つの版の誤りを修正して作成されており、より完成版に近いと言えるのではないだろうか。

翻訳も、引用文献の翻訳を参照し、全編を通して高い質で翻訳されており、価格だけで無理に英語版を購入する意味はないと感じる。
細かな点、たとえば「ナンセンス」や「後産」といった訳語や、ニーチェの引用で気になる箇所が存在したが、
修正するほどのものではなく、現在の版で価格に見合うだけの品質に到達していると評価できる。

絶版を心配するレビューが寄せられているが、他の単行本と同じように本書も数年後には絶版になっているであろう。
だが心配せずとも、愛知県の図書館で蔵書検索したところ、数館が蔵書し、その中には貸し出しできる図書館が存在するので、
個人で所有する価値を見い出せないが読んでみたいと思う人は、近くの図書館で借りるか、
蔵書していないのであれば図書館にリクエストするのが良いのではないだろうか。
ゲーテやニーチェの著作と同様、本書も今後数十年、数百年と読み継がれるだけの価値を有する本だと感じる。

なお、編者であるソヌ・シャムダサーニによる「序論」は、本書の内容を理解する上で非常に参考になる解説であるが、
監訳者の言うような「ユング入門」としては少し難解過ぎるであろう。
2010年に異例のベストセラーとなった『超訳 ニーチェ』の易しさを期待する向きには絶対に向かないと断言できる。
しかし、本文(「新たなる書」)の難解さに比べれば、本書に収められた「序論」と「監訳者後記」を読むだけでも
ユングを理解する上で十分な価値があることを付け加えておきたい。

本書の詳しい内容は、日本語版の版元である下記サイトを参照されたい。
http://www.sogensha.co.jp/special/TheRedBook/index.html
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 光秀
形式:大型本
でかい!高い!赤い!
しかしユングファンにはたまらない1冊です。
前半が原文、後半に邦訳があります。
英語すら読めない私には後半の邦訳がなければただの魔法の書。
そんな感じの本でした。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ジョン・ドゥ 殿堂入りレビュアー トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:大型本
某大規模有名書店において、実物が誰でも手にとって見れるように閲覧用の『赤の書』が置いてあった。
もちろん私は何回かその書店に行って、とうとう全部読むだけは読んでしまった。

出版まで世界中で話題になっていた本であるだけに、期待を全く裏切らない実に中身の濃い本であると思う。

ユングが書いた「カリグラフィー」や「カラフルな絵」は、わざわざイタリアで刷ったものを使用しているというから、実に手が込んでいる。
ただ、日本語の翻訳はあまり読みやすく、自然な文章になっているとは言い難い。
日本のユング派にもいくつかの派閥があり、ここであえて名前は書かないが、やはり最大派閥と思われる人たちによって翻訳されているようだ。
そのことと、翻訳内容の問題が必ずしも関係があるということでは全く無いのだが、あまり変なことを外部から言われないためにも、もっと推敲する必要があったと私は思う。

日本最初のユング派分析家資格を取得した、故・河合隼雄氏は「ユングの本を読んでいると、なんかこう書き直したくなってくるんですよ」ということを言っていたが、これはまさしくユングが書き上げた著作と、ユング自身の本音でもある『赤の書』との差異を言い表したようにも思えて、今更ながら河合隼雄氏の意見にうなずいてしまう。

そのくらいに、『赤の書』では実に様々な基礎的な考え方や、著作となった考え方の源泉が溢れかえっている「宝の山」だと、本書のことを思ってしまった。

フロイトは自身の「強迫神経症傾向」と「ヒステリー傾向」の人格をもとにして、他の症例から考察しながら、自身の「精神分析」を発展させてきたが、ユングは「分裂病(統合失調症)傾向」が強く、その症状に長年苦しんでいたが、『赤の書』にもあるような「美しい絵」や「曼荼羅のような絵」を描き、さらにはレンガ職人の資格までとって、ボーリンゲンの湖畔にいくつかの塔からなる家を何年もかけて作り、増築も繰り返した。

こうしたユングの行為は、そのまま「自己を統合する」試みであった訳であり、絵画療法や行動療法のようなことを自分で考えながらやっていたということになる。
だからこそ、『赤の書』はユング自身の「心の声」であり、「治療の過程」を読み取ることもできるのだ。

こういう本は、それぞれの精神分析や心理学の流派を越えて読まれるべきものだと思うし、それだけ値打ちのある極めて貴重な資料でもあるのではないだろうか。

ただ、値段はやはりこういう値段に、どうしてもなってしまうのだろうか?

来年からは4万円以上することになるので、とてもではないが気軽に買えるようなものでは無い(今もそうだが)。
重版もするのだから、せめて最低限、現行の価格で売って欲しいものである・・・。
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