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赤ちゃんはどこまで人間なのか 心の理解の起源
 
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赤ちゃんはどこまで人間なのか 心の理解の起源 [単行本]

ポール・ブルーム , 春日井 晶子
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)

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キャンペーンおよび追加情報

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商品の説明

内容紹介

子供は「心」の存在をどうやって理解するのか?
芸術とそうでないもの、本物と贋作に対してなぜ感じ方が違うのか?
人に共感し、思いやる気持ちはどこから生まれるのか?
「人を殺してはいけない」という判断はどうやって生じるのか?
死体や排泄物に嫌悪感をいだくのはなぜか?
誰もがあたり前に持っている“人間らしい”感情や思考の源泉を、発達心理学や自閉症研究にもとづいたユニークで刺激的な視点から追究する。

内容(「BOOK」データベースより)

ヒトはどうやって人になるのか?他人への共感、芸術を理解する心、道徳的な判断力、死体や排泄物への嫌悪感…誰もが持っている「人間らしさ」の源泉を探る。

登録情報

  • 単行本: 295ページ
  • 出版社: ランダムハウス講談社 (2006/2/9)
  • ISBN-10: 4270001194
  • ISBN-13: 978-4270001196
  • 発売日: 2006/2/9
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 478,116位 (本のベストセラーを見る)
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24 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
これはなかなかいい本だ.

発達心理学的な「赤ちゃんの心」の知見を通じて人の心の理解を解説しようという趣旨で進化心理学をふまえている.とてもいいのは視点の切り口がすっきりしていて統一感があることと,論点を絞っていてコンパクトにまとまっていること,さらに独自でかつきわめて説得力のある見解,主張がきちんと述べられているところである.

本書の主張は,人の心の本質は「赤ちゃんの心」そしてその発達を見ると理解が深まるというところにある.早くから発達したのだから「本質」というのは論証としてはちょっと微妙な部分もあるのだろうが,直感的にはとても納得できる.

特に力が入っている論点は芸術の本質,道徳の起源,嫌悪感,そしてデカルト的な魂の存在と宗教といったところ.

芸術の解説のところは特に面白い.一見お馬鹿な現代芸術や,それまで本物とされて高値がついていても贋作だとわかると価値が下がることに意味は,芸術には制作者の意図が重要視されているという要素があるのだと解説する.赤ちゃんの認知から説明されるのはなかなか快感である.基本的にはピンカー説の信奉者だった私だが,さらにより理解が深くなった気がする.

道徳の章は結構力が入っている.人の心の理解という主題を少し踏み越えて,どうすれば道徳の輪を広げて世界をよりよくできるのかという問題にも向かい合っている.

道徳の詳細は文化により異なる.そしてこの違いを超えて道徳の輪を広げられれば世界はよりよくなる.そのためには理性で「公平」を達成し共感を広げることだと主張される.

簡潔な文体で訳文のリズムもよい.人の心に興味のある人にはぴりっとさわやかな一冊として推薦できる.
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
思わぬ良書 2008/11/29
形式:単行本
またしょうもない育児指南書かと思って手にとったら当たりだった。著者はスティーブン・ピンカーの教え子で有名な人らしい。進化心理学の記念碑的論文集The adapted mindにも彼の共著論文が収められていた。

本書は基本的に発達心理学の知識をベースとしているが、従来の発達心理学とはかなり趣が異なる。従来の発達心理学と人間に関わる分野はほとんどが記載学的であるか(どのように発達するか)、直接要因を論じるか(学習を促す要因や過程など)のどちらかであるが、本書は発達の理解を通して人の本性の進化、進化的機能を解説している。そのために論点は発達に留まらず、進化生物学の現代的な理論の説明や道徳観、宗教的信念の起源・進化まで幅広い。

本書では人の精神や心に遺伝的基盤があること、進化の過程で形作られたこと、進化心理学の妥当性については深入りしていない。進化について広く誤解されていることを考えると、本書の主張も誤解される可能性があり、ここは難しい判断だったと思うのだが、他にも概説書は多いのでそちらを見てくれということなのだろう。そのぶんタブララサへの批判も限定的だ。

まず進化の視点を絡めつつ、赤ちゃんの認知能力や社会性を説明する。赤ちゃんはただ単に混乱しているだけであるという古典的な説明と違い、人間らしさをきちんと見せるのだ。その後は赤ちゃんの発達と進化の視点を保ちながら芸術、道徳、嫌悪の生物学的意義を論じている。後半は話題が広くなり、一つのトピックに割り当てられる分量が減ってやや説明不足と感じる部分もある。また論証が半端と感じた部分もある(たとえばp150「したがって、共感と思いやりの間に必ずしも繋がりはない。それでも共感的な感情への通常の反応として思いやりが生まれる」など)。

それでも全体的には進化心理学の入門として、進化発達心理学の案内としてよくまとまっていると思う。赤ちゃんの発達だけを扱っているわけではないから発達に興味がある人には勧めづらいが、人の本性の理解を深めたいと考えている人にお勧めできる。こういう良書が多くの人に読まれると良いのだが。
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3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Konza VINE™ メンバー
形式:単行本
Descartes' Baby: How Child Development Explains What Makes Us Humanの邦訳。邦題だけ見ると、赤ちゃんについて書かれた本のような感じがするが、原題を正確に訳せば「デカルトの子−小児発達科学は我々を人間たらしめているものをどのように説明するか」となる通り、赤ちゃんの心理・認知などを参考にしつつ、人間の本質を探ろうというのが主眼の本である。

書いてあることは面白い。しかし、赤ちゃんや小児の認知の傾向について、実験によって分かったことを述べている部分などでは、実験の手順が省略されて結果だけが書かれている場合がほとんどなので、信じて鵜呑みにしていいのかどうか迷う。そうでなくても、全体に、色々な事柄が次々と述べられてそうしたもの相互の論理的関係があまり明らかでない憾みがある。更には、

 こうした遺伝子側の見方からすれば、親戚より自分の子どもに優しくしたとしてもとくにいいことはない。

と言っておきながら、同じ段落の後半で

 自分の子どもと従兄弟に同じエネルギーを割く動物は、従兄弟の四倍ものエネルギーをわが子にかける動物よりも、長い目で見れば不利になるだろう。

と書くという矛盾した記述があり(134〜5ページ)、これが原著のミスなのか誤訳なのかは分からないが、こういうことに気づいてしまうと、他の部分に関しても論理の破綻があるのではないかと気になり、書いてあることが頭に入らなくなってしまう。

その結果、教養を得るというよりも娯楽的読書にとどまらざるを得なかった。折角色々興味深いことが書いてあるのに、その点が残念だ。
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