面白くない、苛立つ、といった感想が
意外にも多いので驚きました。
それはきっと、ときに何かに勇ましく見切りをつけ、
好ましい人間関係を自分で作ろうと格闘し、
自分の人生の様々に能動的なかたちでかかわることのできる
成熟した大人の女性が最近は多いからだろうな・・・と思いました。
私の場合は恥かしながら・・・日和子に共感してしまったのです。
もちろん、小説ほどわかりやすいかたちで見えては来ませんし、
多くの場合、幸福な夫婦生活を送っている方だと思っています。
けれども、ふとした瞬間、この感じ、あるある。
夫婦生活の中で、男と女の、あるいは別々の人間の、
どこか言葉の通じない感じ、どうにかしたいのだけれども、
繰り返すうちにどうにもならないと諦める感じ、その決定的な淋しさ。
とても、わかる気がしました。
救いのない本ですね。読んで、軽くブルーです。
マイナスの力のある本だと思うので、夫婦喧嘩中には
読まないで下さい。是非、ハッピーで余力のあるときに。
とはいえ、言葉にならないような微妙なすれ違い、もどかしさ、
「淋しい」という単語をひと言も使わずに見事に描き出された
しんと透き通り、底冷えのするような、
人間の(女性の?)根源的な孤独感。
江国さんはとても上手い方だな、と敬服しました。