上巻から引き続き赤いダイヤ(小豆)がメインストー
リーですが、サブストーリーも充実しています。
特割外貨の確認記録書(特割カード)を飯の種にして
いた木塚慶太(主人公)ですが、木塚の憧れの女性(
井戸美子)を騙していたユダヤ人が経営するウイルスン
貿易が同じ商売に手をのばして来ます。果たして木塚は
このまま負けてしまうのでしょうか・・・。
また、相場師森玄一郎(森玄)は、買い方(値上がり
を見込んで、買った時より高く売ることにより利益を得
る)で勝負し続けますが、売り方は取引場所の理事長で
もあり稀代の相場師でもある松崎辰治(松辰)、一筋縄
では行きません。あの手この手の駆け引きがスリル満点
です。
優れた経済小説、読んでワクワクする小説であるに留
まらず、昭和の一時代を切り取った優れた時代小説でも
ある本書は、読む価値があります。
なお、本書のヒロイン井戸美子と同名の人物が、著者
の別の作品
青いサファイヤ (角川文庫 緑 360-7)に主人公として出てきます。本書の後に読むとより楽し
めると思います。