最後まで一気に読みました。
この本の世界にどっぷり浸かりました。
まだ余韻が残っています。
もしかすると、純粋に涙してしまった「花まんま」よりも印象に残ったかもしれません。
5編に共通したテーマはなく、どれも独立した話なのですが
怖かったり、悲しかったりする話でも何故か心が暖かくなりました。
それは作者が、どの登場人物にも愛情を注いでいるからでしょう。
殺人者であっても、虐待されている子どもであってもそれは同じです。
誰だって好きでその境遇に陥ったわけではないですよね。
作者は、その切なさを感じ取った上で物語を展開させています。
上っ面だけを文字にしているのではないのが伝わってくるので、
私の心にこんなに響いてきたのだと思います。
どの作品も途中まではある程度予想通りなのですが、
やっぱりラストはひとひねりあって、やられた!と言う感じです。
そしてどれも現実には有り得ない話なのですが、
もしかするとこれは本当の事かもと思わせる、
作者の筆のうまさに脱帽です。