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まず、言うまでもないことだが元祖『坊ちゃん』を見事に自分のものにしているため、1ページ目からスッと漱石の世界に引き込まれる。物語は「坊ちゃん」のその後。最初は漱石文体、漱石の世界を使った普通の推理小説と思わせるのだが、いつの間にやら作者独特の重厚な仕掛けにハマっている。元祖『坊ちゃん』自体にも当時の世相が反映されてはいるがあくまでも背景なのに対し、この「本歌取り」作品では当時の政治状況が事件の重要なカギになっている。事件の本質が表れてくるにつれ、作者が坊ちゃんの中に読み取ったある性質が明らかにされるが、これにはなるほどと思わせられるものがあった。読み終わってじんとした。『はじまりの島』も、一見ダーウィンが探偵役というだけの推理小説かと思いきや、実に壮大なテーマにつながっていくなど、この作者の作品は非常に奥が深いのだ。
変な話だが、これを読んでもう一度『坊ちゃん』を読み直そうかと思った。絶対に、見方が変わってしまうはず。
坊っちゃんを知っているほうがパロディとして楽しめますが、知らなくても大丈夫。
坊っちゃんの真っ直ぐな視点から眺めると、世の中、理不尽なことだらけ。
ミステリ・パロディ好きには、もちろん、歴史・雑学好きにもおススメ!
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