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シリアを中心に「RPGのような」世界を旅する面々の物語なのだが、この漫画をあらかじめ知っていて読んだ読者以外は、ちょっと首を傾げるところが度々あると思う。
なぜなら、これが「リプレイ」だから。リプレイとは普通演劇の台本のような形式で、小説のように読める体裁で書かれることが多いが、賽の目は漫画で描かれることで独自の魅力を持っている。リプレイとは、コンピュータゲームの「RPG」のモデルとなった、想像と会話で行う「RPG」‥テーブルトークのゲームの記録なのである。主なキャラクターはすべて実在の人物がゲーム時に演じたもの。作者自身にも好き勝手に決めることの出来ない物語なのだ。強敵のつもりで登場された悪役が、ゲームで様々な判定を下す「サイコロ」の目により、勝手に自爆してしまうことさえあるのだ。それが「賽の目」の由縁である。
架空世界を旅してきた面々を描く、ドキュメンタリーと思っても良い。
全般的に二頭身のチマチマしたキャラクターが、ギャグ漫画のノリで話を進める一方で、まるで実際に悪党やモンスターの現れる世界を旅してきた者の実話を聞いているリアリティを感じる。話の中心には決してならないが、雨が降れば川の水が濁る。野営中なら、火種を絶やさぬよう、鉄鍋を掛けておく。野宿の旅では、油を豊富には使えない。店に並ぶ品物を収めるのは、決して紙箱でもガラス瓶でもない(中世をイメージするなら、こうしたものが貴重であったり、存在しないから)。まして、窓にガラスを使っている建物など滅多にない‥ 隅々まで目を凝らすと、作者が細部にまで気を使っているのが判る。
勿論、そんな詳細抜きに楽しい物語なのだが。
食事をして眠る。寒さを凌ぎ、毎日腕を磨く。遠くの町へは歩いて年月を費やす。一度分かれた仲間と、友人と、連絡手段の少ない世界で再会するのは難しい。
そうした、現実味あるテーブルトークならではの「ファンタジー」を、ゲーマー以外の方にもぜひ知って欲しい。
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