会社によって購買、調達方針や手法が違う中、なかなか購買管理の本を執筆するのは困難だと思うが、本書に書かれている内容がすべてスタンダードなのであろうか? 自分の会社と比較して内容があまりにも違いすぎて自分の会社が変なのかと思ってしまったが、決してそんなことはないと思う。
はじめて購買の仕事につかれる方にもお勧めということなので、そのつもりで本文を読んでみる。平易でわかりやすい文章であるものの、いきなり横文字の略語が何の説明もなくボコボコ出てきて意味がわからない。中には後ろのページで説明しているものもあるが、ないものもある。果たして初心者が読んで理解できるのであろうか? 言葉の意味がわからなくても、読み進めることはできるが、モヤモヤしたものが残る。最後に索引があり、わからない言葉はそのページに飛んで読めばいいとわかるのだが、もうあとの祭りで不親切である。
最新の内容を紹介している点は好感が持てる。中にはリバースオークションを扱った項目があるが、メリットとデメリットを掲げて紹介しているところは評価できる。何か新しい手法を紹介する時、いいことしか紹介しない本が多い中、きちんとデメリットや懸念事項を明確にすることは大切なことだと思う。メリットとデメリットを勘案した上で、読者が新しい手法を使うかどうかを判断するということでいいと思う。
全体で190ページ余りの本であるが、図表が半分を占めているため、本文だけだと約90ページの内容しかなく、3時間もあれば読破できてしまうだろう。一つの項目につき700文字から800文字程度に纏めており、よく言えば基本的なことが書かれている、悪く言えば表面的なことしか書かれていないということである。類似の本としては、同文舘出版の「図解 よくわかるこれからの購買管理」ということになる。残念ながら二番煎じと言わざるを得ない。
正直言うと、第8章購買キャリアアップのポイント、第9章実務に役立つワンポイントアドバイス、第10章注目の集まる新しい購買の概念はいささか参考になった。できれば、この三つの章に絞ってもっと掘り下げて本を書いた方がオリジナリティ溢れるいい本ができたのではないかと思う。