ちょっとしたことで凄くハッピーになる,ささいなことでブルーになる,それはなぜか?なぜいつも幸せでいられないのか?これが著者が生涯考えているメインテーマです。心の状態にはどうも性質のことなるいくつかの状態がある,それを自由にコントロールできれば人はもっと幸せになりいろいろなことを体験できるということです。このテーマで真剣に考えたいのなら著者の「アウトサイダー」また,突き詰めるのではなく,このへんの精神世界を広く考えたいのならケン・ウィルバーあたりをお勧めします。精神世界というと心理学,宗教っぽい話になりそうですが,ウィルソンの魅力はそういったものは,とうに消化しており,誰も行っていないところを探っている点にあります。この本は氏がまだ到達していないけれど,人間の心はこんな事も可能じゃないのか,人類にはこういうこともあるんじゃないのか,という話です。SFとかミステリーとかのジャンルを意識して読むのととまどいます。理解できないところは,こちらが未熟な可能性があります。10年おきに読んでも感動できる作品です。ひとつ残念なことは,この本に感動した人がこれに匹敵する作品を捜すのに苦労するということです。